野球のフォームから学ぶ脚本術 『28DAYS(デイズ)』(2000)
|姉の結婚式ぶち壊し事件
朝まで飲んでヤって酒に溺れた主人公。演じるのはサンドラ・ブロック。
姉の結婚式に大遅刻し、縁切りを打診される。
彼女は姉の結婚式で大暴れし、ウエディングケーキを倒してしまう。
新しいケーキを買いにリムジンを運転して、民家に突っ込んだ。
|禁断症状との戦い
主人公は、更生施設に送り込まれる。期間は28日間。
化粧品類はおろか、腰痛の鎮痛剤も没収される。
同居人はキャンディをなめている。「禁断症状にはチョコがいいわ」と、寝る前にチョコをむさぼる同居人。
これは伏線である。売店でタバコがすぐに売り切れるためだった。
主人公も菓子を買い込む。
それぞれの体験談を語り合うディベート会場で、感極まった男性が突然わめき出す。
引き気味の主人公。
施設のメンバーとうまくやろうともしない。
徐々に、アルコールと鎮痛剤を断った禁断症状が見え出す。
夜中に「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」を脳内リピートして吐き、見えないハエを追い払う。
森へ行くと、煙草を吸っている男が。スティーブ・ブシェミだ。彼が主人公のカウンセラーとなる。
だが薬物からは逃れられない。
恋人と抜け出してドラッグに溺れたことがバレて、主人公は刑務所送りにされかける。
彼女は恋人に頼んで、禁止薬物をティッシュ箱に隠していた。
薬物を断とうとして、主人公は薬物を窓から捨てる。
しかし、やはり薬物の誘惑には勝てず、さっき捨てた薬物を取りに行く。
ここは二階。一階には監視がいる。仕方なく、木を伝って降りようとするも、落下する。
それ以降、主人公はおとなしくなった。
悪い恋人に求婚されても、決別する。
しかし、姉が施設にやってくる。これもカウンセリングだ。
結婚式で、自分が覚えていないことをなじられ、主人公はヤケになる。
|創作ポイント:主人公の変貌
施設で仲良くなった野球選手が、森で肩を温めていた。
彼も薬物中毒者だ。
主人公は、彼をマネてボールを的に当てようとする。
だがボールはかすりもしない。
「的に集中してはダメだ。ストライクゾーンに集中しすぎると、ピーナッツくらいにしか見えなくなる。そうなってしまうと『ダメだ、自分には当てられない』と、心理的にも負ける」
と、意外なアドバイスをくれる。
「外部情報なんか忘れるんだ。自分で制御できることだけを考えろ。姿勢、バランス、腕の振り方とか。だってボールを離したら、それまでだろ?」
野球選手は一度、主人公に投げさせる。ハズレ。
もう一度投げさせる。今度は目をつぶって。
すると、球はストライクゾーンへ吸い込まれていった。
|まとめ
「うまくいかない!」
と思っているときは。一旦外部情報をシャットアウトしてみる。
すると、自分の改善点が見えてくる。
●余談
ブレイク・スナイダー著
『10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術』
に、ビートシートに分解された解説がある。
そちらも必読。