スマホを落としただけなのに（2018） お前が落とすんかい！
お前が落とすんかい！
稲葉麻美（北川景子）は、カレシの富田（田中圭）のLINEに既読が付かないことを不審がっていた。
どうやら、富田がスマホをタクシーに置き忘れたらしい。
「タクシーに忘れていったスマホを拾ったので、取りに来て」
と、電話が来る。
スマホはカフェに預けているという。
麻美は、店員に預けられていたスマホを、富田の代わりに受け取る。
その光景を、一人の人物がスマホで撮影していたと知らずに。
スマホを落とすの、カレシの方かい！
ちなみに、作中で富田が麻美にプロポーズするとき、
「たとえ太陽が爆発しても……」
と映画の台詞を引用する。
その下りがある映画は、
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
である。
事件発生
警察が、山中で他殺体を掘り起こしていた。
遺体は五つ。どれも腹を刺され、髪の毛が一部剥ぎ取られていた。
事件を担当する毒島（原田泰造）に、新人で元ITプログラマの加賀谷（千葉雄大）がついた。
容疑者は捕まったがシロ。
被害者の一人が風俗嬢だと分かった。店長に確認を取って本人だと断定された。
店長と付き合っていたにもかかわらず、メール一本だけ残して忽然と姿を消したとか。
しかし直後、富田のスマホを拾った人物が、犯人であるというシーンが。
犯人は、身元特定が困難な女性ばかりが、被害に遭っている。
「行方不明になっても探してもらえない、家庭環境の複雑な、地方出身の女性」
を狙っていると、加賀屋はプロファイルする。
身に覚えのない購入品の請求被害に遭った富田は、とうとうスマホを乗っ取られるまでに。
ネットセキュリティのプロに問い合わせ、事なきを得たが。
麻美は大学時代の先輩に迫られ、拒絶する。
富田の先輩から、麻美はストーキングされはじめた。
富田の元にも、家庭教師時代の教え子が。
メールをくれたじゃないかというが、身に覚えがない。
ただ一緒に飲んでいただけなのに、麻美には浮気しているように思われてしまう。
だが、富田の方も、「麻美が先輩とキスする場面」を録画されていた。
ポイント：サスペンス要素強め
本作はミステリというか、サスペンス要素が強い。
どのキャラクターも、パスワードが軒並みガバガバである。
車のナンバーとか。
犯人は注意深く見ていれば、「あ、コイツやな」とすぐに分かる仕組み。
「というか、もうコイツしかおらんな」とさえ思えてくる。
ミスリードもそれほど利いていない。「あーいかにもな展開よねー」といった感じ。
もう往年の「犯人はヤス」に近い。
ラストの捕り物劇も、洋画なら犯人は死ぬだろうという感じ。
どちらかというと、
「スマホを落としただけでこうなるのよー」
といった、自己防衛の啓発がメインのよう。
まとめ
サスペンスに目を向けて欲しいなら、「犯人はヤス」で十分なのかも知れない。
余談：
本作は、神谷浩史さんなどの朗読で、オーディオブック化もされている。
また、続編
「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」
が、2020年2月21日に公開決定している。
加賀屋が主役であるが、原作では別の刑事が主役として登場する。
