タイトロープ~アウトサイダーという生き方~(2013) 不良最強決定戦
最強の不良は誰だ?
「不良たちのケンカをエンタメ化」したアマチュア格闘試合、OUTSIDER。
その試合に出場する選手たちにスポットを当てたドキュメンタリー。
全員、刺青をしていたり、前科者だったりする。
元ギャングのハーフまで参戦している。
中には、弁護士、医学生、放送作家、元いじめられっ子までいるらしい。
2013年当時では語られていないが、近年では女性選手も参戦しているという。
開幕から、「試合のゴングが鳴った瞬間KO」というシーンから始まる。
試合終了後も乱闘が始まったりと、緊張感がシャレにならない。
弁護士格闘家も、最初は不良を更生「させてやろう」といった気持ちで戦っていた。
ところが、成長したのは自分自身だった。
選手たちはDVDを見て感化されて参戦という形が多かった。
俳優も出場している。
4試合勝てなかったが、
「負けたと思ってないという気持ちがあったから、リングに上がり続けられた」
と語る。
全身刺青のロックスターくずれは、父親のDVへの犯行からこうなったらしい。
「オレはもう手がつけられないからな」というアピールからだった。
前田日明主催
OUTSIDERは、プロレスラーの前田日明がプロデュースしている。
元々は、九州で行われていた「天下一武闘会」である。
不良更生プログラムの一環だった。
前田日明がゲストに呼ばれ、興味を持ったのが最初だという。
不良たちの間には、「実力はないが花がある選手がゴロゴロいるよ」と前田さんは語る。
海外には、刑務所ががり、少年院あがりの格闘家が一杯いる。
有名な事務やトレーナーが、更生プログラムの一環として、不良たちを鍛えるのだ。
そして、才能があれば事務に引き抜くのである。
ポイント:背負っているモノ
選手たちにも生活があり、家族がある。
中には、家族がいない選手も。
とある選手は、生みの親を知らず、育ての親に感謝を伝えたくて参戦している。
家族はいるが、姉の元旦那とコンビニで殴り合ってしまった選手も。
牛乳配達をして、家族に慰謝料を払っている選手は、友人とジムを作った。
後に続く後輩のために勝たないと、と意気込む。
先述した北九州 武闘会の主催者を勤める織田さんは
「ルールで負けるんですわ」
「ケンカいうても、三分もケンカなんてできんのですよ」
と語る。
前田氏はこの大会の趣旨として、「目立たせて上げたいな」と考えている。
だからプロ仕様のルールにして、DVDを出す。
負けても努力賞があるのは、この大会くらいだ。
まとめ
どんな人間にも、チャンスはある
余談
関西で開催した際は、半グレ団体に因縁をつけられ、逮捕者まで出ている。
報道までされて問題になった。