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ザ・サークル(2017) ハーマイオニーちゃん VS トム・ハンクス!

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すべては顧客の「いいね!」のために

 メイ・ホランド(エマ・ワトソン:沢城みゆき)は、イーモン・ベイリー(トム・ハンクス:江原正士)がCEOの会社「ザ・サークル」に入社した。

 そこでは、「小型カメラを社内や私室のあちこちに設置し、私生活を配信する」といった実験を行っている。
 超小型カメラを衛星とリンクさせ、ビーチに設置すれば、波の様子が瞬時にネットで分かるというシステムだ。

 ただ、会社の束縛が強い。

 父親の病名も同僚に把握され、「父の持病に詳しい病院」を4つ上げられた。
 カヤックに行っていただけで、同僚から「僕も誘ってよ!」と怒られる。

 健康チェック用の薬品を飲む代わりに、父に人をよこすと言う。


 アカウンタビリティを上げれば、役に立つこともあるみたいだ。が……。

 

ザ・サークルの危険性


 
 とある議員は、
「自分の電話履歴やメール内容を、市民にも把握できるように公開する」
 と約束した。

 その日の夜、メイはタイと名乗る男性と地下施設へ。
 憧れのサークル開発者だった。
 しかし、開発者は
「サークルは自分の思惑とは、かけ離れたモノとなってしまった」
 と言う。

 社長が望んでいるのは、情報で人々をコントロールする管理社会だ。

 タイは「二人でこの施設に入ったことは誰にも言うな」と釘を刺す。


 サークルは安全なものだと思っていた。
 しかし、友人に責められたことで、メイの気持ちが変わっていく。
 メイがアップしたシャンデリアが原因だ。それは鹿の角で作られていた。
 友人が「鹿殺し」と脅されているという。
 友人の腕前を自慢したいと、メイは写真に収めたのに。

 メイは落ち込んだときは、カヤックに載る習慣がある。
 誰も管理していない夜にカヤックを漕ぎ、メイは溺れてしまった。

 それを助けたのは、会社の管理システムだった。
 メイはすっかり、管理システムの安全性を信じ切ってしまう。

ポイント:秘密


 
 メイは、私生活をネットで生中継すると断言した。
 彼女の出した結論は、「秘密は悪いこと」だった。
 
 だが、開始早々両親の営みが生中継されてしまう。
 一瞬の出来事だったが、両親を深く傷つけてしまった。

 周囲に自分をさらけ出す度に、周りが本性を剥き出しにし始め、不幸になっていく。
 こんなはずじゃなかったのに。

まとめ


 
 周りから「いいね」をもらうだけの生活に、本作は問題を提起している。

余談

 本作では珍しく、トム・ハンクスが「悪者」として登場する。
 対するは、「ハリー・ポッター」シリーズでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンだ。

 感動系映画に多く出ている俳優が、ハーマイオニーちゃんをどのような罠にはめるのか。
 そこが、本作の見所でもある。