暗黒グレイテスト・ショーマン 『プレステージ』(2006)
|ショー中に、マジシャン死亡
19世紀末のロンドンが舞台。
ヒュー・ジャックマン演じ得るマジシャンが、水槽脱出ショーに失敗して、事故死する。
マジックの失敗は意図的であると疑われ、ライバルのクリスチャン・ベールが容疑者に。
彼はショーの舞台裏にいて、死んでいくのをずっと見ていた。
|マジシャンの妻も、犠牲に
とあるマジシャンの弟子だった、ベールとジャックマン。
二人はサクラを演じ、ジャックマン妻が水中脱出の役をしていた。
「水槽脱出トリックなんてもう見破られている。二重結びにしたり等、工夫すべきだ」
と、ベールは保守的な昨今のマジックショーをなじる。
「二重結びは、水槽脱出マジックでは危険だ」と警告された。
ヒモが水中で膨張してしまうからだ。
にもかかわらず、ベールはジャックマン妻の手首を二重に結ぶ。
結果、ジャックマンの妻は溺死した。
復讐のため、ジャックマンはベールの舞台へ。
そこでは、銃弾掴みという危険なトリックを行っていた。
ジャックマンはサクラの振りをして、ベールに向けてトリガーを引く。
ベールは指を失い、休業を余儀なくされてしまう。
ジャックマンは、師匠の手引きで舞台をセッティングしてもらった。
ところが、指を失った復讐のため、ベールはジャックマンの舞台を邪魔する。
|ニコラ・テスラ登場
二人の天才を魅了する人物が現れた。
エジソンと科学分野で争っている、ニコラ・テスラだ。
後日、ベールの新ネタが披露された。瞬間移動マジック。
二つの離れたボックスを瞬時に移動する。
見せ方が下手で客の反応はイマイチ。
だが、マジシャンにはタネが分からない。
人体消失移動マジックに取り憑かれたジャックマンは、テスラに大金をつぎ込む。
だが、それはベールに流れているんじゃないのかと疑心暗鬼になっていく。
やがて、それは物語で最大の悲劇を生み出すことになった。
このネタは映画の最後まで引っ張るので、目を離さないように。
|創作ポイント:伏線
実はこの作品、かなり最初から伏線が張られている。
映画が始まった段階から、我々は騙されていたのだ。
冒頭、クリスチャン・ベールが小さな舞台でカナリアを殺す。
「潰したと思ったカナリアがハンカチの中から!」
という手品だ。
しかし、ベールは舞台裏で、潰れたカナリアをゴミ箱へ。
ハンカチから出したカナリアは別物だった。
こんな何気ないシーンですら、最終的には「ああっ」と思わされる伏線だったと、映画を見終わって分かる。
|まとめ
面白いシナリオは、タネと仕掛けの組み合わせが絶妙だ。
●余談