『トレインスポッティング』(1996) オビ=ワンの破戒僧時代
|暗黒面に墜ちたオビ=ワン
ヤク中のオビ=ワン・ケノービがヘロイン断ちのため、悪戦苦闘する話。
何も保証はないが、ヘロインさえあれば幸せという生活を送っているオビワンと仲間たち。
オビワンは、「今度こそヤクをやめる」ぜ、と売人に宣言する。
「その発言は何度目だ」と、売人は相手にしない。
だが、そんな決意も麻薬への誘惑には勝てない。
アヘン入りの座薬まで入れる。
大事なアヘンを取り戻すため、さっき用を足した便器にまで手を突っ込む始末。
パブに行き、自分の生活がどれだけヤクに汚染されたかを痛感するオビワン。
このままでは、ヤクに全てを奪われ、好みのギャルも人に取られてしまう。
華麗に男を振る女性、ダイアンというヒロインと恋に落ちた。
オビワンは、ダイアンの載るタクシーに乗り込み、彼女の部屋で一夜を共にする。
翌朝、オビワンの目の前には、制服に着替えたダイアンが。
ダイアンは、未成年だったのである。
12時間後、オビワンは元のヤク中に。
|怠惰の代償
ヤクに手を染め、堕落した生活を送っていたオビワン。
しかし、友人の赤ん坊が死んでしまう。
彼らはより退廃的になり、盗みを繰り返してはヤクの金にするという生活に。
いつか誰かが終わらせてくれるのでは、と願って。
逮捕され、友人は実刑。オビワンは執行猶予がつく。
しかしオビワンは、猶予中にヘロインを摂取し、病院へ直行。
オビワンは自己嫌悪に陥り、今度こそダメな自分から脱却しようと、定職に就くが。
|ダニー・ボイル監督
『28日後...』や『スラムドッグ$ミリオネア』の監督。
実話に基づいた自転車事故を再現ドラマ化した『127時間』では、アカデミー賞まで受賞する。
|創作ポイント:クズの分岐点
薬物に手を出し、暗黒面に墜ちたオビワン。
彼は悪友たちとの縁を絶ちきり、定職を得て自立する。
しかし、悪友の中でもタチの悪い男が、家に転がり込んでくる。
彼はオビワンをパシリに使い、馬券まで買いに行かせる。
また、別の友人も上がり込み、人の家財道具まで売り払うニートと化す。
友人がエイズで死んだこともあり、オビワンは再び暗黒面へと落ちていくハメに。
このように、クズを作り出すのは環境なのだ。
環境が人を善にも悪にも変える。
たとえ、煌びやかな世界に身を投じたとしても、ゴミが部屋に巻き散らかされた途端に何もかも色褪せてしまうのである。
彼らにとって、本当の恐怖は薬物などではない。
クズという一種の環境・人生観汚染なのである。
|まとめ
クズとは、環境が作り出す病魔である。
●余談
2017年、『T2 トレインスポッティング2』公開。
実に二〇年ぶりに新作が作られた。