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セトウツミ(2016) 関西人二人集まれば漫才に……なるかい!

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男子二人が河原でしゃべるだけ
 
 ヘタレヤンキー瀬戸小吉(菅田将暉)と根暗ガリ勉の内海想(池松壮亮)が、境にある河原で語らうだけ。

 内容も、いい意味でくだらない。
「真剣な顔してみても口が笑ろてるやんけ」 
「『お前は●●と思っているふしがある』合戦」
「片思いの相手からメール来たと思ったらおかんやった場合のガッカリ感スゴない?」
 とか、聞いているだけでも「アホくさ」と思う。

 なのに面白い。
 なにがどうどうおもろいか説明が難しい。
関西弁独特の温かみだろうか。
 男子が二人でシュールに語り合うという環境がまさに不毛で、そこに惹かれるのか。
  
 菅田さんは箕面市出身なので、バリバリ関西弁。
 ヒロイン役の中条あやみさんも、阿倍野区出身だ。
 他のキャストの方も特に違和感がない。

 

ロケ地は堺市
  
 二人が語らう河原は、大阪府堺市堺区戎島町である。
 堺フィルムオフィスのHPには、本作の聖地巡礼地がマッピングされている。

 オレも堺市出身だが、堺区にはあまり行かないので、ピンとこなかった。
 撮影次第で、堺はここまでキレイになるのだ。
  

ポイント:ガリ勉とヤンキーの友情?

 内海は内向的で、人と関わること自体を苦手とする。
 学園のマドンナに話しかけられても、特に反応しない。
「河原で本読んで塾行くまでの時間潰して、何がアカンねん」
 と、本気でほっといてくれと思っている人間だ。

 そこに、瀬戸が現れる。彼は学園内で不良として通っている。
 だが、サッカー部に所属し、そこそこの成績を収めている。


「聞いてぇや。家にコバエがたかるねん。どないしたらええんや?」
「防虫剤たいたらええやん」
「あっかんて! ネコおんねんウチ」
「ほんなら食虫植物飼えや」
「せやな!」

 

 翌日、瀬戸がトラブルを起こし、部活をやめたと噂を聞く。
 
 いつもの河原に行くと、しゃがみ込む瀬戸が。

「なにしてんねん?」
 と内海は思わず聞いてしまう。
「アリつかまえてんねん。食虫植物のエサにしょうと思て」
「食虫植物って水だけでも生きられるで」
 と内海は助言する。
 だが、瀬戸は納得しない。
「お前かて、たまにはハンバーグとかカレー食いたいときあるやろ?」
 
 内海は思った
「アホやコイツ」

 せやのに、内海はアホと思っているやつと、いつもの河原でつるむようになる。

 

まとめ

 どんなきっかけで、誰と友達になるかなんて、誰にも分からない。


●余談
 
 自主製作のネット配信アニメ『するめいか(ルーツ著)』も、本映画と同じ構図である。
 あれも、亀戸の電車を舞台にJKが語り合うだけという、シュールな内容だ。