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ザ・ローリング・ストーンズ/オレ! オレ! オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ(2016) 音楽と弾圧の歴史

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|ストーンズ、始めてキューバの地を踏む

 ラテンアメリカでライブツアーを行う、ローリング・ストーンズ。
 
 始めて、ローリング・ストーンズがキューバでライブを行う。
 ロックどころか音楽がまともに扱われてこなかった国で、歴史が変わる。

 カストロ議長は、このライブを製作の一つと考えている。

 だが、彼らのライブには多くのトラブルが待っていた。
 
 

|弾圧、侵略、貧困、独裁 

 

 アルゼンチンは、独裁政権下にあって、保守的な背景を持つ。
 そのため、ロックが聴けない時代があった。
 そんな中で生まれたのが、「ロリンガ」と呼ばれるグループである。
 彼らは、ストーンズの熱狂的ファンクラスタである。
 

 ブラジルでは、サンバヴァージョンの「悪魔を憐れむ歌」を、地元のサンバグループが歌う。
 元々バラードだった。ブラジル訪問の際にサンバのリズムを取り入れたのだという。
 サンバも、貧しさの中で生まれた音楽だった。
「戦う者達から生まれた歌、それがサンバなのさ」
 
 
 サンパウロに絵描きの友人を持つロン・ウッドは、
「キャンバスの上では、オレがリーダーだ」
 と真っ白な紙の上で絵筆を走らせる。


 チリも、スペインによる侵略によって、音楽が発展していった国である。
 彼らが民族舞踊を踊っている時に。チラチラと外国産のシューズが映るのが印象的だ。


 いよいよ、あと一ヶ月キューバでライブだ。
 3月21日に日程は決まっていた。
 しかし、ケチが付く。

「その日、オバマがキューバを訪問するから日程ズラして」

 このままでは、ストーンズのライブが終わって12時間後に来ることになるという。

 はい日程を21日から25日にズラしました。
 今度はローマ法王からケチが付いた。

「25日はお祈りの日やからライブには相応しくない!」


 さすがのストーンズもキレた。強行だ!
 
 

|ポイント:満足

 

 ラテンアメリカを回るツアーで分かったのは、どの国も弾圧や迫害に耐えて、音楽を愛し続けた点である。

 キューバ人は「音楽がなければ生きていけない」と語る。


 キース・リチャーズは、ライブの度に涙するという。

「毎回のコトなのにさ、泣いちゃうんだよね。でもさ、この舞台に立てばきっと分かるよ」


 映画のラスト曲が「サティスファクション(意味:満足)」というのも泣ける。
 

|まとめ


 ファンたちに最高の満足(サティスファクション)を届ける。
 それが、エンターテイナーの役割だ。

 
●余談

 ギャラリーがはしゃぐ声を目覚まし代わりにするキース・リチャーズがカッコ良すぎ。