ニンジャバットマン(2018) ウカツなバットマン、コウカツなジョーカー
ノンストレス超スピード展開
ヴィラン、ゴリラ・グロッド(演:テラ子安)によるタイムマシンにより、バットマン(演:山寺宏一)は戦国時代に飛ばされた。
謎のサムライ集団に襲われて、これを撃退する。
彼らは「バットマンが転送されてきたら殺せ」と命令を受けていた。
指示を出したのは、第六天魔王を名乗るアーカム城の城主、ジョーカー(演:高木渉)だった。
バットマンは、共に転送されてきたキャットウーマン(演:加隈亜衣)と執事の協力を得て、アーカム城に乗り込む。
しかし、襲撃は失敗した。
全ての装備を失い絶体絶命のバットマン。
彼を救ったのは、ヒーローの仲間たちと、バットマンを伝説のニンジャと崇めている忍び集団「飛騨の蝙蝠衆」だった!
ここまで、たった30分! わっかりやす!
巨大ロボまで出てくるぞ!
ゴリラいわく、
・自分は悪党をタイムスリップさせ、追い出すことが目的だった。
・戦国大名に成り代わって、ヴィランが各地を占拠している。
・彼らはそれぞれ、タイムマシンを動かすコアを狙う。
といった、最悪な状況。
敵も巨大ロボと化した城を動かして、互いにタイムマシンのコアを奪い合う。
ヒーローモノにつきものの仲間割れだ。
そこへ割って入るバットマン。
しかし、奥の手が待っていた!
ナムアミダブツ!
ポイント:徹底したわかりやすさ
脚本誰やねんと思ったら、中島かずき先生じゃないですか!
納得!
『グレンラガン』や『フォーゼ』を手がけた脚本家と言わざるを得ない。
「アニメ=子どもが見るもの」という感覚からか、一切無駄を排除した作り。展開が激烈早い。
冒頭のゴリラ科学者の説明、ジョーカーとバットマンとの因縁、キャットウーマンとの関係など、すべて一切説明なし!
なのに敵味方がハッキリと分かる!
超展開も「まあバットマンやし」と納得できてしまう。
内容も、戦国時代でありながら、この時代にあり得ない最新装備やロボが登場する。
超展開にもかかわらず、まったく違和感がない。
さすが、中島かずき先生というべきか。シナリオの説得力が高い。
それもすべて、「このキャラありき」という有無を言わせない感ではなかろうか。
バットマンは自身のウカツさゆえ、幾度も窮地に陥る。悪党に対して非常になりきれないあたり、彼の甘さがさらなる被害を出してしまう。
「なんでやねん」と聞かれたら、やはり「彼がバットマンだから」と言わざるを得ない。
ジョーカーのコウカツさも魅力的だ。
弱い短絡的な人物を装って相手を油断させ、スキあらば味方をも裏切り、巻き添えにする。
側近に対してすら、大事にしているかどうかさえ怪しい。
「このキャラならやりかねないな」
と思わせられるのが、ところどころすごいなと。
まとめ
荒唐無稽なシナリオを、キャラの強引さで押し切る。
「こいつだからできる」
という説得力を持たせる。
余談:禁断のコラボ
予告編で使われた
「ポプテピピック」×『ニンジャバットマン』
このノリは面白い。