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創作に役立つ、オススメの映画を紹介

スリーピー・ホロウ(1999) 失神芸人ジョニデ

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首なし騎士連続殺人事件

 一九世紀にもなろうとしているニューヨーク。
 なのに、裁判は拷問などが横行していた。

 はみ出しモノのクレーン捜査官(ジョニー・デップ:平田広明)は、裁判官に向けてその現状に異を唱えていた。

 彼は怒った裁判官から
「スリーピー・ホロウという村で起きた3件の殺人事件を捜査してこい」
 と命じられ、村へ派遣された。

 だが、村の有力者たちは「あれは首なし騎士による呪いだ!」と口々に語る。

 騎士の名はヘシアンといって殺戮を好むドイツ人兵隊である。

 当然、クレーンは信じない。

 しかし、村に来て早々、殺人事件が起きた。
 死体の首がなくなっていた。

ティム・バートン×ジョニー・デップ

『シザーハンズ』の「ティム・バートン監督とジョニーデップ」のコンビが送る、伝奇ミステリである。

 この二人のポイントは「緊張感とユーモアさ」だと思う。

 捜査官役のジョニデは、血が苦手らしく、死体を見る度に失神する。
 もはや芸人レベルで。

 ビックリできて、シリアス要素もあるのだが、切羽詰まってない。どこかコミカルさが漂う。
 あまりドキドキしてみなくてもいいカンジの映画である。
   

騎士の動機

 首なしの騎士に殺されたのは、4人だけではなかった。
 五人目の犠牲者は女性で、身ごもっていた。
 父親を教えろと、事情を知っていそうな判事を問い詰める。
 何か秘密を知っている気配を、判事も見せていた。だが、口を割ろうとしない。

 そこに首なし騎士が登場し、判事の首をはねた。

 クレーン捜査官はショックで寝込んでしまう。

 目覚めたクレーンは、助手を連れて森へ。
 騎士を知る魔女の元でアドバイスを聞き、騎士の墓を暴く。

 墓に生えている木に、被害者の首が埋められていた。
 墓を掘り返すと、騎士の首がなくなっている。
 騎士は、首を探していたのだ。
 見つけ出さないと、殺戮が繰り返される。

ポイント:伝奇ミステリというスタイル


 本作は、ホラーの要素がありつつ、ミステリの要素を持つ。

「霊的な存在を操ることで、邪魔者を消している黒幕がいる」
 と、クレーン捜査官は推理する。

 懸命な捜査により、全ての点と線がつながった。
 重要人物を追い詰め、後は告発するだけ。
 しかし、導き出された回答に、捜査官は絶望する。

 村を出ようとする直前、捜査官はさらなる黒幕の存在に気づき、立ち上がる。
 
この流れが見事である。

まとめ

 二転三転するシナリオといえど、一本の道筋を通す。

余談

「マーズ・アタック!」もティム・バートン監督なんだよなぁ