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パンク侍、斬られて候(2018) 言葉ルール無視のチャンバラ活劇

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こんな時代劇、久々に見た!



腹黒いトヨエツ

 掛(綾野剛)は道すがら、とある物乞いを切り捨てる。
 通り魔殺人を咎められ、武士から因縁をつけられるが、返り討ちに。
「こいつは邪教『腹ふり党』の一味だ」
 といってやりすごす。

 邪教を退治する方法を知っている、とうそぶき、藩に取り入ろうとしていた。
  
 そこで待っていたのは、豊川悦治さん扮する家老の内藤だ。
 このトヨエツが実に黒い。
 掛の思惑などあっさりと看破し、逆にライバル家老を引きずり下ろすために利用する。

 思惑通り、家老は失脚。
 藩には平和が訪れた。

「腹ふり党、来ないじゃん!」

 せっかく腹ふり党対策班として雇ったのに、肝心の邪教が来ない。
 不審に思ったトヨエツが、掛の斬った老人の身体を調べた。
 すると、腹ふり党の刺青がなかった。

 密偵からの報告書には、こう書かれていた。

「教祖が捕まって、とっくに滅びたよー」

 腹ふり党対策を挙げていた内藤は、このままでは失脚する。

 方法は、でっち上げるしかない。

 なんと、スパイの配下に「超能力が使えるヤツ」がいた。
 
 
 

横文字ルール無視


「ビジネス」

「スピード」

「アポなし」

 など、本作は時代劇における言葉のルールは一切無視している。

 

「パンク侍」というくらいなので、かなりキレている。
 それゆえに、雰囲気はぶち壊しである。

 

 が、そこは時代劇。面白い。
 

インチキ邪教が暴徒化!


 邪教の元幹部を訪問した一行。
 元幹部は、スラム街で教えを説き始める。が、誰も聞こうとしない。


 そこで、エスパーがちょっと力を発揮した。
 途端、信者が爆発的に増え始める。
 
 
 20から100人集まればいいかなーと思っていた邪教が、1000人にまで膨れあがる。
 しかも、藩のよこした使者まで、邪教に染まってしまった。その男がいないとエスパーをコントロールできない。要のような人物が、だ。

 殿様が留守なのをいいことに、邪教徒は城に入って落書きや放火など、やりたい放題。
 
 事態を重く見たトヨエツは、殿を出先で待機させ、対策を練る。

 そこに、予想もしないキャラクターが現れる。
 
 

ポイント:予測不可能な展開

 主人公自身、「ワケが分からない」というナレーションまで入る。
 
 予測不可能というか、ほとんどが邪教が暴れているシーンである。

 こればっかりは、
「クドカン脚本故、致し方なし」
 としか言えない。

 だが、着地するところは、しっかりと着地する。
 ここが実に見事だ。

 最後に斬られるのは誰か、刮目されたし。


まとめ

 どれだけふざけても、話の芯は残しておく。

余談

 原作者が、冒頭で斬られる物乞いを演じている。