ヴェノム(2018) 無駄にプライドが高い悪ガキアンチヒーロー
序盤から胸くそ展開
記者のエディ・ブロック (トム・ハーディ:諏訪部順一)は、ライフ財団のおべっか取材を言い渡された。
だが、彼女である弁護士のアニー(ミシェル・ウィリアムズ:中川翔子)のPCに、財団のデータがあるのを発見してしまう。
社長のカールトン・ドレイク(リズ・アーメッド:花輪英司)が、死者を出すほどの実験を行っていると。
ドレイクを遠い詰めた翌日、エディはTVを降板させられる。
また、アニーも弁護士を解雇させられた。怒ったアニーはエディとの婚約を解消する。
半年後、「財団がやっている人体実験の真相を公表してくれ」と、科学者を通して依頼される。
宇宙生命体に寄生される主人公
エディは財団のビルに侵入した。
知り合いのホームレスを発見、その女性が実験に関わっていると知る。
助け出そうとするが、今度は自分が謎の物体に身体を乗っ取られてしまう。
命からがら脱出したエディは、急激な空腹に悩まされる。
アニーに助けを求める。
が、レストランの生け簀に浸かり、中のロブスターを食うなど、奇行に走る。
居所を突き止められたエディは、ヴェノム(中村獅童)として覚醒。
カーチェイスの末、追っ手を振り切った。
ポイント:負け犬アンチヒーロー
ヴェノムは凶暴なのだが、主人公が「やめろ!」というとおとなしくなる。
また、彼が主人公と意志疎通できた理由が、「同じ負け犬だから」だ。
主人公は、悪徳CEOを糾弾して全てを失った。
ヴェノムの世界にも階級のようなモノがあり、絶対に勝てない相手がいる。
そいつは序盤で大気圏突入に失敗した衛星ロケットから脱出。
あらゆる生命体に入れ替わって主人公の元まで帰ってくる。
彼はある目的のため、宇宙へ帰ろうとする。
その手段として、彼はCEOを取り込む。
ヴェノムの目的は、彼の阻止だ。
ヴェノムが倒すべき敵と、主人公のライバルが融合した。
これにより、二人の協力構造が繋がる。
他のアンチヒーローと違い、ヴェノムは陰湿ではなく、分かりやすい。
変なところでプライドが高く、「寄生虫」呼ばわりされることを嫌う。
悪のカリスマと言うより、「無駄に強くてケンカっ早い悪ガキ」の印象を受ける。
重いテーマ性があるという感じでもなく、負け犬チンピラ同士がお互いに気を使いつつ協力するという図式である。
まとめ
アンチヒーローといえど、かっこよさのない部類もある。
余談
本編は90分で終わる。
スタッフロールが15分もあり、「えー」と思わされる。
しかも、スパイダーマンのライバルキャラのはずなのに、スパイディ要素は皆無だ。
ところが、スタッフロールは10分で終わった。
その後、「スパイダーバース」の映像が流れる。
申し訳程度のスパイディ要素だ。