ペンギン・ハイウェイ(2018) 生臭少年による、おねショタジュブナイル!
街中にペンギンが!
アオヤマ君(北香那)は、歯医者に勤めるお姉さん(蒼井優)と、お近づきになりたいと思っている。
ジュブナイル作品にしては、えらく生臭いガキンチョだ。
(多分、ここがフェミニストを怒らせたイメージがあるが、過剰反応しすぎかなーと)
そんな彼の住む街が、ペンギンで溢れかえる。
研究熱心なアオヤマくんは、ナチの現象を確かめるため、ウチダくん(釘宮理恵)と一緒に冒険へ。
その過程で、アオヤマくんは「お姉さんがペンギンを生み出せる」ことを知る。
放り投げた缶を、お姉さんはペンギンに変えてしまったのである。
だが、実験してみても、そう簡単に生み出せるわけではない。
森見作品特有のパワーワード
主人公パパ役の西島秀俊さんは、『名探偵ピカチュウ』を担当していたりする。
だが、なんと言っても見所は、ウチダくん役をつとめる「釘宮理恵」さんの少年声だ。
久々に聞くと、やっぱええな。
いじめっ子に地図を台無しにされた時の主人公とウチダくんとの会話。
「君は怒らないね」
「怒りそうになったら、おっぱいのことを考えるといいよ。心が平和になる」
「そんなこと、ずっと考えたらいけない気がするよ」
「ずっと考えてないよ。一日に30分くらい」
このパワーワードまみれの会話群は、「タランティーノ映画」に通じるモノがあると思うんだ。
この会話の後、ウチダくんの家に行く。
すると、彼はベランダでペンギンを飼っていた。
エサ皿にはおにぎりとメザシが。
水族館に行けば、元気になる。
そう思って街を離れた。
すると、ペンギンは消えてしまった。
アオヤマくんは「街から離れると、ペンギンは消えてしまう」と結論づけた。
このシーンが、後の展開に重要な伏線となる。
球状の海
アオヤマくんは、ペンギンを出せる条件が「光」であることを突き止めた。
それからしばらくお姉さんが姿を消す。
入れ替わりで、ハマモトさん(潘めぐみ)と立ち入り禁止の森へ。
そこには球状の海が広がっていた。
これが、お姉さんとペンギンとを繋ぐ要因になっているのでは、とアオヤマくんは分析。
しかし、街で怪現象が起き始め、アオヤマくんは実験を断念した。
ポイント:ジュブナイル
本作は、森見登美彦先生原作のジュブナイルである。
少年が不思議な体験をして、ちょっと成長して帰ってくる。
そういうお話だ。
海もオトナに見つかって、今度こそお姉さんの存在も危うくなってきた。
このままでは、お姉さんが大人に連れて行かれてしまう。
だが、それよりも遥かに悲しい現実が、少年に迫っていた。
世界は残酷に、少年にたしいて選択を迫る。
まとめ
決断は子どもから大人へと成長するに当たって、重要な要素。
だが、本作は「分析」によって導かれていくのが面白い。
終盤、少年が行うには、あまりにも酷な状況が待っている。 少年は痛みに耐え、男へと成長するのだ。
余談
南海キャンディーズ山ちゃんさん、ご結婚おめでとうございます。