銃と体術の絶妙な組み合わせ! アクションの歴史を変えた一本! 『リベリオン』(2002)
|芸術を愛してはいけない世界
「争いを生む根源」とされ、感情を動かす芸術作品や文化を抑制された近未来が舞台。
主人公は文化を所持・保護している集団を見つけ出し、排除する機関に所属している。
街の人々も、定期的に提供される薬物によって、感情を抑え込まれていた。
まるで、反オタが幅を利かせている世界のようだ。
反オタが力を持てば、こんな世界になるのだろうか。
だが、同僚が違反者だと知って排除したとき、彼の心に迷いが生じた。
新たな仲間と共に、違反者の女性を捕まえた。
しかし、主人公は、かつて処刑された亡き妻を、ヒロインと重ね合わせてしまう。
本作の威力と言えば、やはり「ガン=カタ」だろう。
その場に立ち止まって、自分を取り囲む敵を逆に一掃するシーンは、度肝を抜かれる。
銃と体術の組み合わせと聞いて、最近話題の作品といえば、『ジョン・ウィック』であろう。
目にもとまらぬ動きで敵を仕留め、ワイヤーを用いている風ではない「ガンフー」には、圧倒される。
『リベリオン』はその先祖的作品と言えるだろう。
本作の面白い部分は、序盤の解説だ。
「なぜか主人公にだけ悪役の弾が当たらない」
という事象を、至極真面目に分析しているのである。
それによって、無敵の武術を駆使することができるのだと。
無茶な設定なのに、妙な説得力を持たせている。
ムチャクチャながらカッコよく魅せるアクションは、後の作品にも影響を及ぼす。
クリスチャン・ベールの鮮やかで切れの良い動きは、人々を魅了する。
両側からショットガンを突きつけられているのに、一瞬ながら、腰を落として銃身を払いのける。
一回転した銃を掴み、引き金を引いて返り討ち。
これだけで、彼の実力がうかがえる。
|創作ポイント:実は息子がキーパーソン
ぶっちゃけ、本作の見所は、ただただアクションである。
シナリオは、抑圧された世界で感情に目覚めた主人公が、
「こんな世界は間違っている」
と気づき、たった一人で反逆を始めるというストーリーだ。
レジスタンスは壊滅し、主人公も捕らわれる。
そこから猛反撃に転じていく。
こう書いてしまうと、ただのアクション映画なのだが、人間味の様なモノはちゃんと守っている。
その重要な人物が、実は主人公の息子だ。
かれはこの世界のダメっぷり、怖さを強調した機械的なキャラとして描かれている。
そんな彼が実は……。
と意外な正体を見せるのだ。
首の皮一枚レベルで、本作はドラマ的要素を備えている。
|まとめ
主人公だけがドラマを牽引しているわけではない。
脇役にも、ドラマがあるのだ。
●余談
だいたいこの手のアクションはラストバトルが単調になりがちだ。
カーチェイスになったり。
しかし、本作は最後の最後までガン=カタで戦う。
ラスボスとの戦いはマジでカッコいいので必見。