オススメは吹き替え版 『フェイス/オフ』(1997)
|細菌だらしねぇな
マフィアのボス兄弟を逮捕したFBI捜査官。
ボスは、細菌爆弾をロスに仕掛けたという。
爆弾の在処を聞き出そうとするが、ボスは口を割らない。
そこで、ボスの弟がいる刑務所に潜入し、情報を聞き出すことを提案。
主人公は、息子の敵である男と顔を入れ替えることとなった。
|事態は最悪の状況に
極秘任務のため、事情を知る人物は限られている。
家族すら、主人公の任務内容を知らされていない。
潜入捜査の末に待っていたのは、自分になりすましたマフィアのボス!
彼も、顔をすり替えたのだ。
しかも、主人公の任務の実情を知る人物は全て殺されていた。
ボスは弟を釈放。
自らが仕掛けた爆弾を解除し、英雄に。
主人公の行動は、全て無駄に終わった。
完全に孤立した主人公は、復讐のために脱獄を図る。
|ニコラス・ケイジとトラボルタの演技に注目
本作のポイントは、ニコラス・ケイジとジョン・トラボルタの演技だ。
トラボルタが捜査官、ニコラスがマフィアのボスなのだが、整形手術で入れ替わる。
雰囲気も表情も、まるで違うのだ。
堅物だったトラボルタ捜査官は、『サタデ・ーナイト・フィーバー』を踊りださんばかりにノリが軽くなり、笑顔も邪悪に満ちていた。
変装したトラボルタの方が、ちょっと娘のウケが良かったり。
すべてを失ったニコラスは、反撃のためにマフィアを丸め込む作戦を立てる。
少し狂気じみているのだ。
二人の名優の、演技がいかに幅広いか。
それを楽しめる映画である。
『M.I.2』のジョン・ウー監督の演出も見事だ。
鏡に向かって相手と打ち合うシーンなど、印象的な場面も多い。
かっこよさの中に心証を描く映像美。
|創作ポイント:絶望的な状況へ追い込む
本作の主人公は、苦労人だ。
息子の仇に顔を変えられる。
そこに、主人公そっくりに整形したボスが、復讐に来る。家にまで入り、家族に手をかけようとしている。
このハラハラ感。
どうなってしまうのか。
そう思わせて繰り出される主人公側のアイデア。
|まとめ
絶望に追い込んでの逆襲。
絶体絶命のピンチから、いかに脱出するか。
そのためのポイントが、ちりばめられている映画だ。
|吹き替え版がオススメ!
この映画のもう一つのポイントは、吹き替え版である。
「神谷明」さんが、トラボルタ役なのだ。
つまり敵の役である。
この演技が実にノリノリなのだ。
悪者と言えば、劇場版DBくらいだろうか。
あまり悪役という印象がない。
そんな役者さんが悪党を演じると、怖さも数倍に跳ね上がる。