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未来のミライ(2018) あーもう、くんちゃんめんどくさい!

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鉄オタ、不思議体験をする

 かまってちゃんで鉄オタな「くんちゃん(上白石萌歌)」に、妹ができた。
 最初の頃は、「部屋を片付けろ」と指示されても、余計に散らかしてしまう困ったちゃんとして描写される。列車の名前は全部言えるのに。

 これまで家族の愛情を独占していたくんちゃんは、新しい家族となったミライちゃん(黒木華)が愛されているのが気にくわない。
 果てには、新幹線の模型で妹を殴ってしまう始末。

 ひとしきり暴れて、建築家のおとうさんが建てた中庭に引っ込むくんちゃん。
 そこで、謎のおっさんに出会う。

 彼にはシッポが生えていた。
 引っこ抜いて自分のお尻にくっつけると、くんちゃんは犬と化してしまう。
 くんちゃんは、オッサンの正体が愛犬だと分かった。
 
 彼も
「くんちゃんが生まれるまでは、王子様のようにもてなされていた」
 と嫉妬に駆られていたのだ。

未来から来たミライちゃん


 
 
 また、くんちゃんはミライちゃんのことで、かんしゃくを起こす。
 次に現れたのは、なんと未来から来たミライちゃんだった。

 彼女は「結婚したいからひな人形を片付けたい」と言って、この世界にやって来たのだ。

 おとうさんにバレないように、そっとひな人形を片付けていく。

ポイント:成長


 くんちゃんは自分の思い通りに行かなくなると、すぐ泣きわめく。周りに当たり散らす。
 親からするとすぐギャン泣きする超めんどくさい子どもだ。
 
 だが、くんちゃんは泣く度に、中庭へと出て不思議な体験をして帰ってくる。

 自分の片付けられないクセが、実は母親譲りだと知る。
 幼いころの母親は、客人であるくんちゃんをもてなすため、部屋中を一緒に散らかす。

 自転車に乗れない自分が許せず、全部ミライちゃんにかまっていたおとうさんのせいにした。
 直後、若い頃の曾祖父に会って、馬やバイクに乗せてもらった。
 それをきっかけに、補助輪なしで自転車にも乗れた。

 全身を使って階段を上り下りするように、くんちゃんは成長していく。
 わがままが通る快適空間(コンフォート・ゾーン)から抜け出していくのだ。

 ものすごく小さな歩みだが、くんちゃんは確実に成長していった。

まとめ

 何度も失敗して、人は大人になる。

余談

 作品の舞台となる家を設計したのは、大阪芸術大学准教授で建築家の谷尻誠氏である。
 よく見ると、イスがデザイナーによって違うことが分かった。
 わざと形をバラバラにすることで、狭い家に広がりを見せているという。
 
 谷尻氏が乗っているという理由で、おとうさんの愛車もボルボになったとか。