エミネムさんが社会の厳しさを教えてくれる映画 『8 Mile』(2002)
|貧困層の白人
デトロイトに住む主人公の目標は、8マイルという境界線を超えること。
黒人と白人、富裕層と貧困層を分ける境界線だ。
トレーラーハウスに、主人公は幼い妹を抱え、男にだらしないロクデナシの母親と住んでいる。
白人の貧困層だ。
仕事場に向かうバスの中で、メモにラップの歌詞を書く主人公。
だが、ラップバトルの本番を迎えると、口ごもってしまう。
主人公はこのように、最初は自己主張が苦手な人物として描かれる。
そんな彼が色々な経験を積んで成長していく話だ。
自分を応援してくれる女性が現れ、自信を付けていく主人公。
職場のラップ対決も制し、腕の上達を実感する。
が、大会の優勝者であるトップラッパーに度々因縁を付けられる。
果たして彼は、完全アウェーの舞台で活躍できるのか。
|妹に優しい一面も
●この映画のポイント
エミネムさんの身に起きた、実話に基づいたフィクション。
彼は実際トレーラーハウスに住み、碌でもない母親と暮らしていたという。
肌の色のせいか誰にでも疎まれるエミネムさん。
母親の愛人と毎回ケンカになり、母親にすら邪険にされる。
ラップバトルを勝手に申し込んだ友人とも、エミネムさんは対立してしまう。
ただね、妹にだけは優しいお兄ちゃんなのよ。
いつものように、寝床でラップの歌詞を書くエミネムさん。
表情は険しい。自分の世界に入り込んでいる。
それを見守る妹。
妹と目が合うとね、ラッパーの顔が一瞬、お兄ちゃんの顔になるのよ!
笑顔と優しい眼差し! これがたまらない。
|大事なのは、行動力
●創作の役に立つ?
創作者、アーティストが主人公なので、役に立つと思う。
特に、主人公がありとあらゆる経験をネタに、ラップの歌詞として紡いでいく辺りは、非情に見習うところがあるかと。
実を結んでいくのは、やはり行動力しかない。
それが自分の決めたことでも、誰かから手を差し伸べられたとしても。
地道な訓練と、チャンスを掴む嗅覚。
それと行動力が、やがて成功するために立ち向かう原動力となっている。
きれい事なんて一切ない話。
だが、こういう泥臭い映画も悪くない。
|結論
人生は全部、取材たりえる。
自分がしょーもない仕事をしていると思っていたら、
「全部取材」
と割り切ってしまってもいい。
または、負の連鎖から抜け出すために奮起してもいい。
●余談
「エミネムさんが色々教えてくれるシリーズ」
なども有名なので、そちらからエミネムさんを知るものいいかと。