ショーン・オブ・ザ・デッド(2004) クズといっしょ
|ゾンビが襲ってきているのに
家電売り場で働くショーン(サイモン・ペグ)は彼女のリズ(ケイト・アシュフィールド)から、エド(ニック・フロスト)との仲を精算しろと迫られる。エドは薬の売人で日銭を稼ぐが基本ニートの男だ。
同居人とのケンカや、いいかげんなエドのせいで気が立っていたショーンは、リズとの食事の約束をすっ飛ばしてしまう。
母親にあげる花束を、彼女との復縁に使うなど、グダグダである。
結局、リズにはフラれてしまう。
元凶のエドと飲みに行き、二日酔いを覚ますために買い物へ。
だが、映画を見ている観客には、街の様子が段々とおかしくなっているのが分かる。
ゾンビが街を徘徊しているというのに、ショーンはのんきにコーラとアイスを買いに行っている。しかもニアミスまでしていた。
エドの言葉でゾンビの存在に気づく。
が、それまでにかかった時間は、なんと映画開始から三〇分後である。
|ソンビとの対決
ゾンビに襲われ、武器を探す二人。
報道によると、ゾンビの弱点は頭だ。
見つけたのはレコードの山。
だが、初版ものだったりレアものだったりして、投げるレコードをチョイスできない。
この期に及んで趣味全開だ。
結局二人はバットやスコップで武装。ゾンビの脳天を叩き割る。
今のところ無事な母親と彼女を連れて、安全なはずのバーへと向かう。
だが、義理の父親がゾンビに噛まれてしまった。
急いで車を走らせる。
バーに辿り着いた一行。
が、そこもゾンビの群れが。
|ポイント:クズとの友情
ショーンは、エドと片時も離れない。
エドは度々身勝手な行動を起こし、周囲を危機に陥れる。
無理な運転で車を破壊し、無意味なドリフトまで行う。
主人公が生真面目な性格なのもあり、一見すると、エドはまるで役に立たないお荷物に思える。
実際、主人公は「クズのエドと一緒にいるのは、自分を慰めているからだろ」と核心をつかれる場面がある。
だが、ピンチを切り抜ける場面や頭が切れる場面も時々あって、完全にはクズではない一面も。
息もぴったりで、「女房役」といった印象が強い。
彼がいるからこそ、主人公は本音をさらけ出し、本能を剥き出しにして、前進ができる。
見る側からするとイライラするシーンは確かに多い。
だが、本作の面白さは、彼の奇っ怪な言動に寄るところなのも確かだ。
|まとめ
本音をさらけ出せる相手など、なかなか作れない。
●余談
主人公の同居人は、ダース・モールの中の人、「ピーター・セラフィノイス」が演じているのだとか。