絶・対・に・創作の役に立たない映画評のブログ

創作に役立つ、オススメの映画を紹介

ガリガリ君サイコサスペンス味 『マシニスト』(2004)

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一年間不眠症の男

 機械工である主人公は不眠症を患い、一年寝ていなかった。
 疲労感はある。しかし眠れない。
 商売女を抱く。
 その後、空港でパイを一口食べ、ウエイトレスのシングルマザーと語らうのが日課だ。
 
 
謎の男と、ふせんのメッセージ

 職場で一服しようとして、謎の男と対面した。赤い車が印象的な男は、同僚の入れ替わりでシフトに入ったという。
 同僚は強盗で逮捕されたのだとか。
 話の通り、男性はシフトに入っていた。
 男性に気を取られていた主人公はミスを犯す。そのせいで、同僚の腕が吹っ飛んだ。
「ヤツを見ていたから」
 と、主人公は主張する。
 だが、誰も彼を知らないという。 
 同僚たちからからかわれ、主人公は次第に孤立していく。
 
 主人公はメモ魔である。何か用事があると忘れないようにふせんにメモを取る。
 冷蔵庫に、見知らぬメモが張られていた。誰が張ったのか分からない。
 
 末尾は「ER」。それは段々と埋められていき、やがてラストで一つの文字となる。

 
真相は?

 空港のウエイトレスとデートに誘われる主人公。
 彼女の息子をアトラクションへとつれていく。
 しかし、少年はてんかん持ちだった。アトラクションの効果で目をやられて気絶する。

 後日、その遊園地に見覚えがあると思ったら、自分が子ども時代に来ていた場所だと知る。
 
 精神が錯乱し、会社で暴れた主人公は、仕事をクビになる。
 自分が腕を切り落とした相手をも疑うが、真相はますます分からない。


創作ポイント:分かれ道

 主人公が、ウエイトレスの息子と、ドライブ型アトラクションで遊ぶシーン。
 少年にハンドルを握らせ、「左に行け」と指示を出す。
 

 とある事情で警察から追われた主人公は、娼婦の家に上がり込む。
 バスルームで主人公の治療をしながら、
「ひき逃げなんかするヤツは死ねばいい」
 とつぶやく娼婦。

 
 後に、これがラストで重大な意味を持つ。

 
 本作は、小さい謎で引っ張っていくタイプの作品だ。
 メモ、血を流す冷蔵庫、社内のシガーライター、男の正体。
 そして、度々現れる分かれ道。
 断片的に謎をちりばめ、見る側に推測させる。

 そしてようやく、「主人公は何かから逃げている」と、受け手は悟れるような作りになっている。


「大丈夫かいな」と思わせて、ちゃんと伏線は一つにまとまっていく。


まとめ

 主人公には、最後まで「間違った選択」をさせておく。
 ラストに正しい道へ行くまで。

 

 
●余談

 クリスチャン・ベールが、痩せすぎの男の演技で話題になった。
 役作りのために30キロ痩せて、『バットマン・ビギンズ』のオーディションを受けるために4ヶ月で体重を戻したことでも有名に。