『365日のシンプルライフ』(2014)全裸から始まる断捨離生活
|全裸スタートした、ミニマリズム生活
実験と称し、物の価値を見直す主人公。
真夜中に全裸でダッシュして、新聞紙を住宅地のゴミ箱で漁る。
寒い中でもコート一枚で過ごす。
|女にフラれ、荒れまくった生活
実験の前、フラれた腹いせに、主人公はカードでモノを買いまくった。
釣り道具やミラーボールまで。
三年後、彼はガレージを借りる。
全裸からスタートし、シンプルライフ生活を送るため。
ミニマリズム生活を送る際に、祖母の助言を聞く。
「足るを知るか、ボケて買いあさるか」
倉庫を借りて私物を封印する、と相談すると
「本当に必要な物が分かる」
とアドバイスしてくれた。
「おばあちゃんは、何を残しておく? 何が必要だと自分で思う?」
「冷蔵庫ね」
弟が食料を買ってくれた。
主人公は早速、窓の向こうへ食料を並べる。
外が天然の冷蔵庫になるからだ。
彼には冷蔵庫は必要ない
肉親は好意的だが、友人からは理解されない。
全てから逃げたいだけだとケチを付けられる。
|ルール
現在の持ち物は全部倉庫行き。
一日一個なら持って帰っていい。
一年間買い物禁止。
洋服を選ぶときも、着回しの良さと暖かさ、どちらかを選ぶ。
給料は現金でもらう。
服は着るが、下着をつけずに出勤する。
次の日、彼はベッドで眠る。
翌朝、指で食パンにバターを塗って食べる。
|10日目で変化が
「一日一日持ってくるんじゃなくて、10日目でいっぺんに持って帰ってきたらいいじゃん!」
そう考えて、倉庫に行かない日が続く。記録も取っていない。
11日後、倉庫へ。自転車やら歯ブラシやらを持って帰宅する。
下着も手に入れた。
バリカンで髪を切り、髭も剃る。
キッチン用品は、一気に持ってきた。
壊れたカバンは友人に直してもらう。
だが、友人から「ケータイ使え。遊びに誘えない!」と苦情が入る。
「そんなに実験が大事かよ!」と。
4ヶ月使っていなかった。
それで不自由しなかったと証明できた。
だから持って帰ることに。
|創作ポイント:恋しいモノは?
シンプルライフ実験半年目、彼は実家に帰り、車を持ち帰った。
いとこと会話したら、こんな質問が飛んできた。
「恋しいものは何?」
まるで「こんまりメソッド」みたいな質問だ。
彼は倉庫に行っても、釣り道具やレコードに関心を持たなくなっていった。
最初の数10個以外、必要性を感じない。
祖母に相談すると、
「人を幸せにするのは物質ではない。もっと別の何かだ」
とアドバイスをくれた。
その祖母がケガをして老人ホームに入るという。
家は引き払うという。
ちょうど、交際相手の家にある冷蔵庫が故障していたところだった。
だが、彼は祖母の家から何も持ち帰とうとしない。
キャンディケースだけもらった。
|まとめ
実験を終えて、主人公はこう語る。
「人生に必要なモノは、せいぜい100個くらい」
「あとは人生を潤してくれるものが、100個くらいあればいい」
と。
●余談
フィンランドでは、子どもが生まれると
「赤ちゃんセット」
というシリーズが支給されるらしい。
うらやましい。