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中二病でも恋がしたい! -Take On Me-(2018) 小鳥遊六花は変わりたい?

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|高三でも、中二病していたい!

 六花は、高校三年を迎えても未だに中二病を患っていた。
 勇太との仲は円満そのもの。
 けれども、未だに数学ができず、進学もギリギリ。

 そんな状態の六花を憂い、姉の十花は職場がイタリアに変わり、六花も連れて行こうとする。


|高校生でも、駆け落ちしたい!

 十花から逃れるため、二人が選んだ手段は駆け落ち!

 二人は、京アニのの本拠地がある京都へ。
 
 しかし、百合疑惑の汚名を拭うため、同級生のモリサマーと後輩の凸守が連れ帰ろうとする。金に物を言わせ、護衛付きで京都タワーまで追いかけてきた。

 凸守と六花は、「バニッシュメント・ディス・ワールド(いわゆる妄想戦闘)」を、人目もはばからず展開させる。
 凸守に苦手な牛乳を飲ませ、ことなきを得たのはよかったが、六花は凸守と勇太が間接キスをしたのが納得できない模様。
 
 こういった部分からも、まだ大人になりきれていない。

 今だ子供じみた趣味に生きる六花を、十花は本気で心配している。
 このまま大人になれないまま成人を迎えてしまうのでは、と。

 そこで勇太は、六花との交際を「六花の母親」に認めてもらおうと考えた。

 
|創作ポイント:オトナでも、変化が怖い!

『テッド』とは違い、本作は「大人になりきれない自分たち」を全面的に肯定している。

 だが、その心境は複雑だ。

 六花は「自分の中二病的な側面こそ、愛してくれている」と考えている。
 そのせいで、中二病をやめられない。
 実際はそんなことはないのだが、なまじ中二病のままでも好きと言われているだけに、キャラを変えられない。
 彼女は、関係性の変化を恐れている。
 普通の恋を受け入れようとしてる自分と、中二病のままの関係を求める自分。

 肝心なのは、勇太からお土産の指輪をもらうシーン。
 東京で買って、北海道で渡すのだが、六花は「自分ではめる!」と言って聞かない。
 結局、自分ではめる。
 しかし、「だんだん力を奪われている感じがする」とモヤモヤを訴えてくる。
「普通のカップルっぽいこと」をしただけに、妙に意識してしまう。

 大人になる必要性・必然性を、六花も自覚してきたのだ。

 直後の、七宮と電話するシーンでも、彼女の乙女さが際立つ。
 邪気眼ワードで塗り固められているが、置き換えれば普通に女子トークだ。

 何も選択せず、現状維持は気楽だ。
 しかし、それではお互いのためにならない。関係性も深くならないのだ。

 二人は大人には近づいているが、子どもらしさも大事にしたい。
 なので二人は、決断を保留にはしない。二人らしい回答を選択する。
 

|まとめ

 中二病は恋をしてもいい!


●余談したい!

 モリサマー・凸守コンビはビジネスホテルのシーンがよかったなぁ。

 功労者は、くみん先輩だけど。