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創作に役立つ、オススメの映画を紹介

個人的に熱いと思うアニメ 5選!

 今回の3000文字チャレンジは、「#3000文字私を熱くさせたもの」かー。

 実は、こういったテーマは一番書きにくかったりする。
 あれもこれもと書きたい気持ちが出てきて、あっちこっちに思考が脱線してしまうからだ。

 書けるのに、まとまらない!
 とにかく、愛が深すぎてまとまらないのだ! 愛が深すぎて!
 
 こういうときは、「自分の得意分野を絞る」に限る。
 
「別のネタ浮かんだら、もう3000文字書いたる!」
 ってモチベでちょうどいい。

 ここは、オタらしく、アニメで攻めるかね。

 

これより先は、

 

『宇宙(そら)よりも遠い場所』

『SHIROBAKO』

 

のネタバレを盛大に含んでいます。

 

構わない方はどうぞどうぞー。


◇個人的に熱いと思うアニメ 5選!

 

●機動警察パトレイバー アーリーデイズ


・5、6話「二課の一番長い日」

 個人的に、パトレイバーの敵って、これくらいふてぶてしいヤツで丁度いいと思っている。

 グリフォン編は、敵がちと子どもっぽい。個人的には超好きだけど。
 ノア、太田、香貫花の三人が一緒になって戦うシーンは最高。
 飄々としたあんまり邪悪っぽくない敵を作ったつもりなんだろうけど、余計に怖くてアニメの敵としてはちょっと敵わなすぎるかなと。
 戦って勝っても「ゲームの域を出ない」感じがする。
 
  
 かといって『the Movie』の敵は、逆に大人向け。
 敵レイバーの抜き手は最高なんだけど。あのシーンだけは最高に好き。

 廃棄物13号は、ものっそい客を選ぶ。
 特撮好き
 アニメ好き
 押井守好き
 のどっちに向けて発信されたか分からなさがある。

 その点、アーリーデイズは「敵のやばさ」がビリビリに伝わってくる。
 すんごい分かりやすい。
 
 クーデター! 核ミサイル! 超分かりやすい危険度!

 グリフォンに足りないのは危険度なんだ! どこまでも個人技だったから!
(そこがいいんだけどなグリフォン編は!)
 
 何より、この話は後藤さんが苦悩、苦戦しているのが最高なのだ。
 後藤さんと因縁がある点もいい。

 後藤さんのような「つかみ所のない人」を追い詰められる人ってのは、このような「周到に戦略を立てた、国家の敵ガチ勢」なのだ。

 グリフォン編の社長はエンジョイ・ユーモア勢、劇場版もガチ勢だが、ベクトルが違う。国家・日本の敵というより「社会が生んだ病魔」のような亡霊的存在である。
 
 そのような「日本の敵ガチ勢」を、特車二課の面々が総力を挙げて撃滅するって構成が素晴らしい。
 だからこそ、ラスボスは負けたのにふてぶてしいし、そこがまた清々しい。

 後にも先にも、こういった明確な国家の敵っていうのはパトレイバーには出てこない感じがする。


●超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

・マックス対ミリア

 地球が異星人に襲撃されて、要塞の中で漂流を余儀なくされた地球人が、地球奪還作戦を始める話。

 女だけの集団「メルトランディ」は、地球を襲ってきた「ゼントラーディ」より手強い。
 敵のエース「ミリア」の強さを前に、ロイ隊長までやられてしまう。
  
 メルトランが地球に降下し、マクロスを襲う。
 主人公、マックス、柿崎の三人で警備中、柿崎が撃たれる。
 油断した柿崎がやられる画面では、マックスが襲撃に気づいている。

 ミリアと一対一になるマックス。
 わざと水柱を上げてデコイとしてミサイルをやり過ごすとか、戦艦内に入って、真っ暗な中での撃ち合いとか、エース同士の戦闘が見られる。
 
・余談
「マックスがミリアを引きつけている間、主人公なにしててん!」
 という意見に、マクロスに詳しい人はこう語る。
「メルトラン兵士二人を相手にしているから、主人公は手が離せなかった」


●蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-

・重力砲
 
 日本を脅かす「霧」と名乗る大艦隊に、潜水艦たった一隻で立ち向かう少年たちの話。
 
 本作の魅力はなんといっても「重力砲」の描写よ。

 戦艦がビーム砲をぶっ放す砲台へと変形する、霧の艦隊のメイン兵器である。
 
 実は原作マンガで再現できなかったという。

 ところが、アニメ化する際に変形モーションをわざわざ作ったという。
 戦艦によって、武器っぽかったりエイリアンぽかったり、デザインが各種変態じみている。

 熱い! こういうギミック大好き! たまらない!
 
 
 

● 宇宙よりも遠い場所

 

・第11話『ドラム缶でぶっ飛ばせ!』

 行方不明になった母の足取りを追って、南極を目指すJKの話。
 通称「よりもい」。

 メンバーの一人、日向ちゃんは人間関係で陸上部を干された過去を持つ。
 アルバイトで生活していた彼女は、仲間を持ち、ついに南極に到達。

 だが、そんな日向を応援したいと、元陸上部のメンバーが応援メッセージを送ってくる。
 彼女たちの心には、謝罪の気持ちがあったようだ。

 だが、それを突っぱねたのは我らが報瀬(しらせ)ちゃん!
「もう日向に関わらないで。彼女はとっくに前を向いて進んでいるの! 今更なによ! お前たちはずっと人を傷つけたという思いを抱えながら、一生モヤモヤしながら生きていきなさいよ!」

 日向は、内心陸上部を許していなかった。そんな自分を許せなかった。
 そのことを知っていたからこそ、報瀬ちゃんたちは見せかけの友情を拒絶した。
 
 これはビリビリきた。

 始めて南極に降り立ったときの「ざまあみろ!」と叫ぶ場面も名シーンだ。
 ただ、「よりもい」といえば、花田十輝先生脚本といえばここかなと。
 気の強い女を書かせたら、花田先生かなと。

 

●SHIROBAKO 

 アニメ製作会社残酷物語。

 差し入れのドーナツから「このアニメのキャラはどんな食べ子のが好きか?」で論争になり、キャラクターの細部まで掘り下げるなど、創作者なら共感できるシーンが多い。

 行き詰まって脚本家と話し合って答えを出したり、主人公の造形で悩むスタッフを気分転換させるため、ゴスロリの上司がバッディングセンターに連れて行ったり、個性的なシーンが多数ある。
 
 作家を目指す身として、思い知らされる場面が非常に多い。

 中でも、とっておきのエピソードがある。

・23話「続・ちゃぶだい返し」

 原作者からのクレームが入って混迷するアニメ製作会社。
 だが、実は原作者にちゃんとした話が通っていなかった。
 編集者が意図的に止めていたのだ。

 それが発覚し、原作者激怒。改めて製作と話を練ることに。

 飛行機乗りの少女の話。
 自分が空を飛ぶ理由が分からないまま飛んでいた主人公、そこに友人の死が。飛ぶ意味をなくした主人公は戦線を離脱する。
 原作者自身、彼女を復帰させるかどうか決めかねている。
 だから、制作側の都合で空を飛ぶ選択をするのはやめていただきたいと。

 制作側の主張はこうだ。
「自分は、仲間を信じて空を飛ぶ主人公を描きたい」

 だが、原作は言う。
「私にとっては違う! あの作品は、私と、私を襲う負のメタファーなのだ!」
 あなた方チームとは違うのだ、と。

 原作者にとって、飛行機乗りのアニメはチームが団結して難題を解決するアニメではない。
 個人的な死と再生の物語だった。
 
 だから主人公は、責任感や罪の意識では飛べない! 個人的な悩みを解決せねば!
 自分自身で飛ぶ理由を見つける必要があったのだ!
  
 製作はそれに気づく。

 主人公は、夢や希望とは無縁の孤立した存在だ。そこが彼女の抱えている問題だった。
 ならば、そんな彼女が飛ぶ理由をプラスすればいい!
「亡くなった親友に妹がいることにしよう! 彼女の存在が、主人公の希望になればいい」
 
 二人は答えに辿り着く!

 でね、妹役に抜擢されたのが、本編主人公の友人である声優の「ずかちゃん」というね。
 主人公のオーディションに落ちてヘコんでいたが、この役を手に入れる。
 友人たちの中で唯一、出遅れていた彼女。

「今、私、少しだけ夢に近づきました」

 このシーンで涙腺崩壊した人は多いかと。


 で、作家、小説家の面白いところは、
「上記したような一連のブレーンストーミングを、たった一人でできる」
 ことにある。

 一人ブレストは作家に許された特権だ。
 たびたび行き詰まるけど。