絶・対・に・創作の役に立たない映画評のブログ

創作に役立つ、オススメの映画を紹介

宇宙人ポール(2011) E.T.はワシが育てた。

 

f:id:pixymoterempt:20190402170455p:plain

宇宙人マニア、本物の宇宙人と出会う

 宇宙人マニアのイラストレーター、グレアム・ウィリー(サイモン・ペッグ)とSF小説家のクライヴ・ゴリングス(ニック・フロスト)。
 海外版コミケを満喫した二人は、宇宙人事件の聖地巡礼中の旅で、本物の宇宙人と接触する。

 宇宙人の名はポール。
 宇宙船の不時着で踏み潰してしまった犬の名前から、保護した少女が名付けた。

 ポールは宇宙船の事故で地球人にとっ捕まり、宇宙の情報を提供。
 

宇宙人の能力

 ポールの目的は母星へ帰ること。
 協力者の力を借りて、研究所から逃げてきた。
 調査隊が追ってきている。

 一方、調査隊のリーダーは、小説家の漏らした尿から逃亡先を割り出すなど、凄腕である。

 途中何度も見つかりそうになるが、息を止めると隠れられるという能力を持っていたため、ポールは助かった。
 
 あれだ。H×Hのメレオロンだ。『神の不在証明(パーフェクトプラン)』という能力である。さすがに手を繋いだ相手まで消せないが。
 
 キャンカーでひき殺した鳥を、ポールは生き返らせる。
(すぐに踊り食いしてしまったが)
 
 逃げる途中、モーテルで暮らすクリスチャンの女性を成り行きで同乗させる。


ポイント1:リアルとリアリティ

 ロマンスも生まれるが、友人は彼に嫉妬していた。

 何もかもノリで受け入れる主人公を、小説家はうらやましがった。
 夢過ぎて、手が出せなかったのだ。
 事実、彼はホンマモンの宇宙人に出くわして気絶した。
 
 おそらく、彼の中では「フィクションだからこそ」楽しかったのかも知れない。
 それがリアルで存在すると分かったとき、彼は白けてしまったのだろう。
 だから噛み付く。ケンカもする。
 しかし、時間が経つにつれて、互いに打ち解け合うようになっていった。
 

 しかし、平和な旅も長くは続かない。
 クリスチャンの父親まで参戦し、事態はより危険度を増していく。
 

ポイント2:伏線

 この話が面白いのは、ロードムービーという観点だけではない。
 伏線が見事なのだ。

 誰がヤバイ敵で、誰が味方なのか、すぐには分からない仕組みになっている。
 
 この出来事が起きたせいで、調査隊に居所を知られてしまうなどの展開が見事だ。

 またこの映画はラスボスが意外な人物だ。
「あーたしかに」
 と納得させられてしまう。

「アンタにとって宇宙人は敵だよね!」
 と思わずにはいられない。

 とにかく、宇宙人の敵と言えば「彼女」しかいないだろう。

 
まとめ

 本作で使われている人物相関トリックは、綿密なプロットが必要だ。
 

●余談
 
 ポールは『E.T.』の原案まで担当していた、という設定がある。
 だが、電話相手のスピルバーグには敬語。

 それもそのはず。
 なんと、電話の相手はスティーヴン・スピルバーグ本人!