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ドラゴン・タトゥーの女(2011) ボンドガール以上に働く女

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失踪した孫娘を追え


 
 ミカエル(ダニエル・クレイグ:てらそままさき)は、大企業の武器密輸をコツ発する記事を書いて名誉毀損で訴えられた。
 裁判は敗訴。全てを失った。味方は娘だけ。

 とある年老いた実業家が、失意のミカエルに仕事を依頼してきた。

「自分の家族の呪われた歴史を調べてくれ」
 と。

 失踪した一族の娘を探すことが、ミカエルへの依頼だ。
 報酬は、ミカエルが追っていた悪徳資産家を貶める情報。
 
 孫娘ハリエットは当時16歳。
 彼女の父は軍人だったが、泥酔して川に落ちて死亡。
 
 かつて、一族の所有する土地にかかる橋で、車の衝突事故があった。
 事故直後、ハリエットは行方が分からなくなった。

 老資産家はいう。「一族の誰かに殺されたのだ」と。

危険で厳ついボンド・ガール


  
 親戚筋を当たり、事件に迫る。

 やがて、ハリエットが意味不明のメモを取っていたことを知る。
 
 天才ハッカーながら保護監察下にある女性リスベット(ルーニー・マーラ:東條加那子)と共に、捜査に乗り出す。
 
リズベットは最初こそ、保護観察官の性処理に使われていた。
 が、自力で監察官を罠にはめ、保護を抜けることに成功する。
 頭がキレ、危険にも果敢に飛び込む。
 その辺のボンドガールより頼もしい。

 二人は捜査の結果、
「ハリエットが、とある猟奇殺人を調べていた」
 ことを突き止めた。

 被害者はユダヤ人の女性ばかり。
 聖書に書かれている文言に則って殺害されていた。
 一族の誰かが、事件に関わっていることを知ったのだ。
 その結果、殺されたのではないか。
 ミカエルは、ハリエットの存命を絶望視する。
 

 捜査の間、ミカエルは部屋に何者かが侵入した痕跡を見つける。
 拾った猫を殺され、調査中に猟銃で襲撃されてしまった。

 頭を負傷したミカエルの傷を、リズベットは素人の針で縫う。
 ミカエルの気を紛らすために、自身の身体まで捧げる。

 ここまできたら、実質ボンドガールだ。

ポイント:二つの事情を同時に処理。

 猟奇殺人の件は割と分かりやすく、「なんか怪しいなー」と思っているヤツが、案の定犯人だった。
 
 そこまで辿り着く執念と知恵は見事である。


 ところが、満足行く報酬が得られない。情報は役に立たないものばかりだった。

 そこで、またもリズベットが一肌脱ぐ。
 共に苦難を乗り越えたからか、ヒロインはミカエルに対して、奇妙なパートナーシップが宿っている。

 悪徳資産家を独自で追い始めるのだ。
 この報復は見事なので、是非とも本編にて。

まとめ

 強烈なヒロインを作り上げるには、強烈な動機付けがあるといい

余談

 以上のことを踏まえて見て欲しいのが、切ないラストシーンである。
 今までの絆があったからこそ、あのシーンは辛い。