ピクセル(2015年) 冴えないゲーヲタが世界を救う!
冴えないオッサンに舞い込んだ機会
子どもの頃、ドンキーコングの試合でライバルに負けて以来、サム(アダム・サンドラー:柳沢慎吾)は自分に自信が持てない毎日を送っていた。
冴えないホームシアター取り付け業者で働いている。
そんな彼の元に、大統領となった親友のウィルから依頼が来る。
「世界をインベーダーから救ってくれ!」
1982年に、NASAがスペースシャトルに「当時流行っていたゲーム」を搭載した。
それを見たとある宇宙人が、「自分たち宇宙人を殺す準備がある」と勘違いしたらしい。
ゲームと現実を見極められない可哀想な人種は、宇宙にもいるのだ。
大統領は、攻撃してきたのがギャラ我のインベーダーと分かり、友人のサムを頼ったのである。
「宣戦布告」として、インドを『アルカノイド(ブロック崩し』のキャラが襲撃に来るという珍事が発生した。
地球人と三本勝負をして、二本先取したら勝ちというルールを要求してきた。
次に狙われているのは、ロンドン。
ウィルは、サムに自軍の軍事アドバイザーになってくれと頼んできた。
ゲームのキャラに対抗するため、ヴァイオレット中佐が、対ゲームキャラ対策兵器を開発。
しかし、中佐率いる軍隊はキャラのパターンが読めず、隊列を乱す。
そんな中、親友のラドローと共に、サムは宇宙人を容易く撃退する。
軍は、サムの実力を認めざるを得なくなった。
かつてのライバルとの再会
サムはヴァイオレット中佐の息子マティと最新型のゲームで遊び、「決められたパターンを読む遊び」について力説する。
が、「負けない戦い」を信条とするマティには響かない。
次なる対決の場は、ニューヨークに決定した。
題目はパックマンだ。
サムの指示で、かつてのライバルであるエディ(ピーター・ディンクレイジ :神谷明)を出所させる。
サムらがオバケに見立てたミニクーパーを街中で走らせ、パックマンに食われずに逃げ切れば勝ちである。
巨大パックマンが追ってくる中、ミニを走らせ、どうにか逃げ切ったサムたち。
だが、勝負はインベーダーが勝利となった。
状況が飲み込めなかったサムだが、マティだけは、原因を知っていた。
エディがチートコードを使っていることに気づいたのだ。
つまり不正行為。
そのペナルティとして、マティがさらわれてしまう。
ポイント:冴えないオッサンが世界を救う
サムは冴えないが、誠実な男だ。
ゲームを愛し、人の失敗を責めず、変人の友達を見捨てない。
足を引っ張る軍人たちに対しても、「俺に任せろ」とばかりに誠実な態度を取る。
人にプレッシャーを与えないタイプの人種だ。
けれども、「自己犠牲型ギバー」タイプなので、成功からは遠い人物でもある。
このようなコンプレックスを抱く視聴者は多いだろう。
ただ。彼の人生は冴えないが、成功したとしても決して奢らない。
このような冴えないオッサンが成功を勝ち取る話は、我々のような冴えない人生を送る凡人には大好物だ。
まとめ
人のコンプレックスをくすぐる。
余談
・本作には、『パックマン』の生みの親である岩谷徹さんが出演している。
岩谷三役の人物は別人だが、過去シーンでちょっとだけ本人が顔を覗かせている。
・視聴は「吹き替え版」をオススメする
神谷明さんのパロディセリフも面白い。
柳沢慎吾さんの「あばよ!」も聞けるぞ。