ジェイソン・ステイサムVSキャプテン・アメリカ 『セルラー』(2004)
最凶の男ジェイソン・ステイサムに拉致られた科学教師の女性。
屋根裏部屋に押し込められ、唯一の通信手段である電話機まで破壊された。
なんと、女性は壊れた電話機を自力で直し、たまたま繋がった男性に助けを求める。
繋がった相手は、我らがキャプテン・アメリカだった。
彼は最初、イタズラ電話だと思って、相手にしなかった。
が、女性がジェイソン・ステイサムに亭主の居場所を問われる声を聞いて、誘拐がマジなんだと判断する。
「子どもを救ってくれ」
という彼女の指示に従うが、子どもが悪党の手下に攫われてしまう。
息子を監禁され、女性はダンナの居場所をとうとう教える。
キャプテンは、LAの空港にいるというダンナを連れ帰ろうとするが、ニアミス。
そこで彼は、悪党たちが警官であることを知った。
●この映画のポイント
ジェイソン・ステイサムが珍しく悪役。
今をときめくクリス・エヴァンスと、真っ向から対決する。
原案は、『フォーン・ブース』の脚本を書いたラリー・コーエン。
本作も電話をモチーフにした映画である。
まだスマホが普及していなかった頃の話なので、「テレビ電話すげえ!」って描写がある。
修理した電話だとリダイヤルできない。
電話が切れたら、彼女との接点はなくなる。
こういった緊張感が、このドラマを熱くしている。
常に通話中なので、悪党に問い詰められている場面で、よその車から響くカーラジオの爆音が監禁場所の電話にまで聞こえてしまう場面など、予期せぬアクシデントも。
「バッテリー切れやべえ!」という現象は、今も昔も変わらない。
だた、主人公は店に発砲して充電器を手に入れるが。
こういった、配慮やコンプライアンス無視が頻発する。
倫理観を一切排除したスリリングな展開は、非常に面白い。
またこの映画には老刑事が出てくる。
飄々としているが、彼も真相に近づいていく。
このオヤジもいいキャラなんだ。
●創作の役に立つ?
大いに役立つ!
まるで教科書のような、よどみない展開。
小道具の使い方が非常に上手い。
当時、画期的だったテレビ電話や録画機能が、遺憾なく発揮される。
伏線の張り方、セリフ回しの妙、倫理観をドブに捨てたキャラの動きなど、全てにおいて執筆の参考になるだろう。
二回見て展開が分かっているのに、まだ面白いというね。
●結論
ガラケー最強説
◇余談
主人公は運転中、オープンカーに乗るオバハンを、
「運転してるときはケータイを切れ、この野郎!」
となじる。
自分もケータ イ片手に運転しながら。