「ロケットパンーチ!」の真相 『パシフィック・リム』(2013)
|街を襲う怪獣
「カイジュウ」という存在が地球を蹂躙して数十年。
人々は「イエーガー(狩人)」というロボを操って、殲滅する任務に当たっていた。
だが、主人公は任務中に、パートナーである兄を亡くす。
今の地球は、強大な壁を作って侵攻を防ぐくらいしか、手立てはなかった。
主人公も壁を建築するひとりとなっていた。
そこに、かつての上官がやってきた。
主人公は上官から、新しいパートナーを紹介される。
|ウルトラマンAに設定が近い
・怪獣は違う星系から来ている
・二人乗りでないと、動かせないロボット
個人的にはウルトラマンAのを思わせる設定にワクワクしていた。
敵なんか、まんまヤプールだ。
|個性的なイエーガー
ロシアのロボットが最高なのよ。ボトムズみたいで。
お気に入りは中盤戦だ。
夜の海を舞台に、タンカーを引きずって怪獣をぶん殴るシーン。
あれいい。
何の効果もないんだけど、プロレスを見ている感じでたまらない。
そんなイエーガーも、デカさの割に、もろさも含まれている。
カイジュウが強すぎるせいだろう。安心できないのだ。
だからこそ、勝利したときのカタルシスがすさまじい。
|創作ポイント:プロレス
この映画は、基本的にロボット対怪獣のプロレスだ。
すべてがお約束の元で成り立っている。
「絶望的な状況なので、生活全部が軍備に特化している」
「対策として、危険を承知でカイジュウと脳を直結させて情報を得る」
「でも基本はプロレス」
怪獣映画はそれでいいんだ。
みんな、ゴツいマシンを見に来ているのだから。
細かい話の粗や、構成の雑さなどを気にしながら見ると、途端に興が冷める。
「負けそう!」
と受け手に思わせておいて、
「よっしゃ」
と大逆転。
本作は基本、そのくり返しである。
エヴァンゲリオンじゃないんだから。
そりゃあね、林原閣下も吹き替えにでている。
監督や観客だって、意識もしているだろう。
が、勘違いしてはいけない。
本作は「プロレス」である。
|まとめ
本作は「プロレス」。いいね?
●余談
吹き替えは杉田智和氏。
言わずと知れた、アニメ版『銀魂』の銀さんですよ。
組み付かれた怪獣に向かって、主人公は叫ぶ。
「ロケットパーンチ!」
正式名称は、「エルボーロケット」という。
杉田氏は、自身のラジオで、
「あれはワーナーの偉い人に言えって言われたんだ」
と語っていた。
中国版はもっとヤバくて、
「ペガサス流星拳」
と翻訳されていたらしい。