小説初心者のための、オススメ訓練法 3000文字チャレンジ
小説が書けなくて困ってる?
表現したいが、アイデアが湧かない。
キャラクターが作れない。
お話自体が書けない。
色々な悩みがあると思う。
なんとなく小説を書きたいが、うまく言葉にならない。
そこで、タイプ別にオススメの小説訓練法を書こうかと。
◇小説を書く方法を知る前に
まず「小説が書きたいのかどうか」を知る。
なぜ書きたいのか。
それがなければ、続かない。
・自己満足なのか。
・人に読ませたいのか。
・作家で食いたいのか。
ここがブレていると、何を練習しても的ハズレになってしまう。
まずは、自分の目的を洗い出そう。
細かい練習法はそれから。
◇お話自体が作れない
結論:作らなくてイイ
初心者のウチは、お話の組み立て方などは意識しない方がいい。
それより、指を動かした方がマシ。
完璧を求めているから、挫折する。
そうではなく、ワンシーンだけでいいから思い浮かべて、書き出してみる。
お話を一から作るのではなく、頭に浮かんだシーンを文字化していくこと。
対策:自分に「お題」を出して、描写する。
「ワンシーンを切り取って、風景または心情を描写する」
というやり方でいいのでは。
保坂和志先生も、自著で「小説は『描写』すればいい」と仰っている。
キャラだとかプロットという前に、まず一文だけでイイので書いてみて、イメージした状況を文章に起こしてみては。
さらにうまくなりたいなら、下記の企画に参加するのもいいかと。
●#創作試験問題
陽向 舞桜さんがTwitterにて主催・展開する、創作練習課題である。
140文字という短さなので、書く内容はシチュエーションにほぼ限定される。
長いものを描くのには適していないが、訓練としてなら非常に使える。
制限時間つき、というのもいい。
「締め切り」を意識できるからだ。
詳しくは、#創作試験問題というハッシュタグを追っていただきたい。
●カクヨムの自主企画に参加する
小説投稿サイト「カクヨム」には、自主企画という、ちょっとしたイベントが存在する。
主催が提示しているテーマ、文字数に沿って、内容を書くのである。
そこの好きな企画に、自ら参加してみてもいい。
こちらも、期限を設けている。
◇キャラクターが「作れない」
「キャラができれば、お話なんて勝手に動くんだよ!」
という作家さんは多い。
ただ、肝心のキャラクターが作れないという人もいる。
作れたとしても、ストーリーの中で思うように動かない人も。
結論:ハードルを高く設定しすぎ。
好きなキャラが頭の中にあっても、完璧に作り上げようとすると、急に難易度が高くなる。
「作れない」の対策:
自分の好きなキャラを書き出して、組み合わせる。
適当でいいので、好きなキャラ三人くらい思い浮かべて、ミックスさせる。
「一つはアニメから、一つは現実の人物から」
など、全然違うところから引っ張ってくることがポイントだ。
そうすると、パクりとかを気にしなくても、勝手にオリジナル化していく。
「動かない」の対策:
とっかかりで、キャラを肉付けする
『SHIROBAKO』というアニメで、キャラの行動原理を話し合う場面で、
「このキャラの好物は何か」
という議論になった。
キャラAはこれが好き、いやいやキャラBはこれが好き。
意見が対立するのは、好物が違っているからでは。
そうすると、生きたキャラクターができあがった。
「新・劇場版ヱヴァンゲリオン」でも、同様のことが言える。
旧アニメ版だと、ミサトさんはカクテルバーで飲んでいる。
だが、新版だと彼女は居酒屋で飲んでいる。「ピンキーとキラーズ」が有線でかかるような場所で、だ。
つまり、何を食うかで「その人の感性」というのが掴めるのだ。
エヴァの例は、「今の人の時代性に合わせた性格形成」と言えるかも知れない。
だが、よく考えて欲しい。
付き合いとは言え、ミサトさんがカクテルなんか飲むんか!?
家で風呂上がりに缶ビールを一気飲みするような人が、カクテルなんぞで酔えるんか?
ミサトさんって、そんな「雰囲気を楽しむために酒飲む人」でしたっけ?
違うでしょーが、と。
オレは、ずっと思ってたんや。
当時のツレからバカにされても、オレは主張をし続けていたんや。
このように、なんらかのとっかかりから、キャラクターの肉付けができることもある。
好物、行動原理、背景から浮き出た性格などを設定し、
外見から描いたのなら、「どうしてその見た目になったのか」まで作り込む。
腕がない、片目だけ色が違うオッドアイ、角や牙などの外見的特徴。眼鏡のブランドにもこだわっているのかどうか。
■キャラ作成に使えそうな方法
TRPGのルールブックには、キャラクターの背景を作成する
サイコロを振って、その目にとまった背景をキャラに落とし込むのである。
小説書き方本によると、キャラクターは見た目・性格などより、
「なんでそんなキャラクターになったのか、人物の背景の方が重要だ」
と解説しているものが多い。
背景さえちゃんと作り込んでおけば、キャラクターが動きやすいと。
プロットを立てた際にその通りに動かなくなるというデメリットがある。
が、活き活きとしたキャラを作りたいなら、背景を作り込むことオススメする。
中二病っぽいものが作りたいなら、「ダブルクロス」という能力者同士のバトルをメインとしたTRPGのキャラクターシートがオススメである。
キャラ背景表が、やたら重く、暗いからだ。
●注意点:作りすぎないように
キャラを作り過ぎると、「もう書いた気になってしまう」というデメリットがある。
これでは、「キャラ作成だけが一番楽しいRPG」と同じ遊び方になってしまう。
小説は、本文が主役だ。
彼らを歩かせよう。
「いい、歩くだけでいいのよ」
ってミサトさんも言うてたやろ?
●おまけ:下着の色まで決めてしまう。
これは、オレが「新世紀エヴァンゲリオン」を見ていたときに思っていた感想だ。
「なんで全員の下着が白一色で統一されているのか」
が疑問だった。
肌に身につけるものなのだから、最も性格が出るはずだ。
「この子は色は気にしないが、形は気にするだろう」
「こっちの子は機能性だけで選んでいるはずだから、形が悪いものは使わないよな」
「あー、この子は何もかも無頓着だよね」
など、下着一枚にしても性格が出るのだ。
ちなみに、「新・劇場版」では、キャラの下着の柄は修正されている。
やっぱり違和感があったようだ。
◇プロットが作れない
結論:作れなくて当たり前
初心者のウチから「プロットが、あらすじが」と言われても、普通は作れない。
「自分が書きやすい道筋の立て方」を探せばいい。
だが、最初のウチから、
「他人に読みやすくできる方法」
を考えるから、おかしくなる。
最初は、自分が何を表現したいのかを吐き出す。
人に読ませるのは、そこから。
ある程度できて、人に読ませたい欲求が出てから、あらすじ作成に挑んでもいい。
序破急でも、起承転結でもなんでも。
■あらすじ作成に使えそうな方法
●プロットジェネレーター
大塚英志先生が作った、プロット作成シートである。
タロットカードに書かれた文字の内容に合わせて、あらすじを作成していく。
引いた文字に沿って書くので、偶然性を頼りに半強制で組み込んでいく。
大塚英志先生の小説の書き方本は多数でていて、ほとんどの本にこの方法が載っている。
そちらで活用しよう。
●即席アイデアメーカー タロットプロット
「プロットジェネレーター」のHP版。
キャラ、テーマ、舞台などを「タロット占い」で決められる。
このサイトのイイ面は、決定した設定の一覧をコピペして、ワードなどの文章ソフトに反映させることが可能な点だ。
こういう便利なサイトもある。
◇小説の書き方 まとめ
小説の書き方を紹介してみた。
ただし、新人賞で一次を取るなど、「プロ養成」となると、もっと本格的な練習方法が必要になる。
前回紹介した『ブレイク・スナイダー・ビート・シート』などが、その最たる例だ。
あれは初心者向けの作成法ではない。
また、初心者向けの書き方とは言え、気をつけるべきは「使い方」である。
依存ではなく、活用が必要。
頼るのではなくて、「活用する」ことが大事である。
一度使ってみる、ダメな場合は別の創作法を試してみる。
そうやって、もっとも自分に適した小説の書き方を見つけて、書いてみる。
で、上手くいかないときもある。
そのときに備えて、絶えず情報をアップデートし続ける。
このサイトで「出てきた通り」に作るより、あくまでもアタマの体操として活用していく。
#3000文字おすすめ