絶・対・に・創作の役に立たない映画評のブログ

創作に役立つ、オススメの映画を紹介

カウチポテトアクションの決定版 『ズーランダー』(2001)

f:id:pixymoterempt:20190124174416p:plain



 
モデル廃業

 トップモデルだったデレク・ズーランダーは、ライバルに敗北した。

 

 慰めてくれた友人たちも、ガソスタではしゃいだ拍子に爆死してしまう。

 

 そのショックで、主人公はモデルを廃業する。

 

 田舎の炭鉱で働くが、誰も彼の偉業を認めない。男の世界ではモデルの仕事など笑いの種にしかならない。

 

 居場所をなくした主人公の元に、アーティストからオファーが来た。

 

 だが、その男の目的は、彼を暗殺者に仕立て上げること。


 マレーシアの首相は、児童労働禁止を訴えている。
 彼がいる限り、ファッション業界は衰退してしまう。
 その首相を暗殺するため、単細胞で洗脳しやすいモデルを殺し屋として訓練するのだ。
 
 哀れ、ズーランダーは洗脳され、暗殺マシーンへと鍛えられてしまった。


 デザーナーは、ファッションショーにマレーシア首相を呼び、殺害を計画する。

 
 えっ、わけ分からん?

 
 大丈夫。オレにも分からん!

 

 
豪華俳優陣

 

 マレーシア大統領の暗殺を企てるボスの子分が、ミラ・ジョボビッチ
 
 いきなりライバルとウォーキング対決を始める。
 ジャッジするのは、デヴィッド・ボウイ本人!

 

「ズーランダーの身に危険が迫っている」
 とタレコミしてきた人物が、デイヴィッド・ドゥカヴニー


 黒幕であるマネージャーのPCがiMacなのも、時代を感じさせる。


創作ポイント

 

●荒唐無稽なキャラ設定

 

 バカバカしい設定のまま、特にシリアスな展開もなく、話は大きく膨らんでいく。
 いわば、不条理コメディである。

 個人的に、この時代のアクションコメディが、一番見やすいと思う。
 
 昨今のアクションでは、なにかと無駄なシリアスを吹き込みがちだ。

 

 だが、本作はそういったストレスを極限まで削減している。
 こんな映画は久しく見ていない。

 

 それでいて、怖さはしっかりとエッセンスとして添えられている。
 ミラ・ジョボビッチ扮する幹部だけが、最後まで話を引き締めてくれるのだ。

 とはいえ、本作はバカコメディを徹底している。
 
 このような映画を「カウチポテトアクション」という。
 「ソファに寝そべって、ポテチ食いながら見る映画」なわけだ。
 
 バカコメディに、シリアスはスパイス程度でいい。
 説教臭い作品は、逆に「無駄シリアス!」と、煙たがられる。


●小道具の使い方

 本作は、伏線の張り方が非常に上手い。
 80年代の懐メロが、この映画ではガンガン掛かる。
 だが、実はそれが「主人公を殺人マシーンに変えるスイッチとして機能する
 このように、小道具がただのモラトリアムで終わらない。
 オバカなんだが、かなり計算された仕掛けも施されている。


まとめ

 

 アタマからっぽの方が、夢詰め込める。
  

 

●余談

 一瞬だが、トランプ大統領まで出ている。