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武器人間(2013) 悪いなのび太、この脳みそはナチス用なんだ

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|ドキュメンタリー風映画

 まず、ソ連兵のナレーションから物語は始まる。
 そこからナチスへ進撃する映像が流れる。
 記録映像として残すつもりなのか、カメラマンも同行している。
 古いカメラを使っている演出か、映像内にたまに赤いフラッシュが。

 無線は使い物にならない。
 
 進軍すると、ひどい死に方をしている修道女たちが。
 山積みにされている死体の中、生き残りが。だが、彼女も息絶える。
 そこは教会で、墓が荒らされた痕跡があった。
 

ソ連ナチスの秘密兵器

 教会の地下に入ると、倒れている半裸の兵隊が。奇妙なのは、腕がドリルに改造されていること。
 そいつは手で触れると、電気の力で起き上がり、ドイツ式敬礼をした。
 暴れ回り、軍曹をドリルで貫いてしまう。

 軍曹が死に、新たな情報を探しに外へ。

 動物を飼育している老兵を撃ち、何があったかを探る。
 拷問を受けた老兵は、とある施設へソ連兵士たちを案内する。
 だが、老兵は逃げてしまった。

 そこで、奇妙な武装をした集団に襲われる。

 両手に鎌を持った怪人、クチバシのある兵士、顔が箱状になっている怪物など。
ロード・オブ・ザ・リング』のロジェ・サミュエルズによる特殊効果のおかげか、不気味な印象を放つ。
  
 多くの味方を失うも、逃げ切るソ連軍。
 
 だが、無線を妨害していたのは、なんと撮影係だった。同胞が密命で無線を使えなくしていたのである。

 撮影係は彼らの上官で、「とあるドイツ科学者を生け捕りにする」という任務が下されていた。
 

|のぶ代「ぶーきーにーんーげーん」

 なんとこの映画、ほとんどの吹き替え配役が「ドラえもん」のキャストなのだ。
 大原めぐみさん(のび太)、木村昇さん(ジャイアン)、関智和さん(スネ夫)、松本保典さん(ノビスケ)といった新版ドラえもんキャスト。
 
 肝属健太さんやたてかべ和也さん、小原乃梨子さんといった旧版キャストまで。
 しかも小原さんの役はパシリの少年兵で、ドラ本編より扱いが悪い。

 しかも、予告編のナレーションは「大山のぶ代」さんである。
 これはドラと言うよりモノクマに近いかも!?


|創作ポイント:マッドサイエンティスト

 物語の最後に、撮影係がフランケンシュタイン博士に捕らえられる。

 博士の思想は
「ナチも共産主義もゴミ! 私が争いのない世界を作るのだ!」
 といったもの。

 武器人間の数々は、その実験の元で作られている。
 ヒトラーが認めてくれているから、正しいと信じて疑わない。
 思想には否定的だが。
 
 要は、もっとも狂った存在として登場する。
 彼に比べると、武器人間の方がまだ規則正しい分扱いやすいかも?

 それほど、博士のアイデンティティは計り知れない。

 ここから最後まではやたらテンションが高い展開が続く。
 
 
|まとめ

 本作最大の見所は、狂った科学者の描写にある。


●余談

 この映画、実はところどころおかしい。

 両手に鎌を持った怪物が出てきても、撮影係は殺されない。
 目の前で鎌を振り回すポーズを取るだけなのだ。
 
 他の兵士はあっさり襲われて死んでいるのに。

 他の武器人間に襲われても、なぜかカメラマンは殺されたりしない。
 
 このあたりの都合の良さは、『カメラを止めるな!』を思い出す。