ハンニバル(2001) 絶対にTVで放送できない、もぐもぐタイム
|『羊たちの沈黙』の事件から10年後
かつて英雄視されたFBI捜査官クラリスは、すっかり厄介者扱いされていた。
麻薬絡みの銃撃戦で多くの犠牲者を出す。
犯人を射殺できたが、仲間を死に追いやってしまう。
クラリスの失態を報道するTVを見ている富豪メイスン。
彼はレクターの手によって顔を壊され、瞼を失う。
財力を駆使して、レクターに対する復讐の機会を窺っていた。
彼の情報収集はFBIすら凌駕する。
クラリスは、司法省のポール・クレンドラーからつるし上げを食らう。
彼との会話中、エドワート・ノートン版『レッド・ドラゴン』に出てくる「フルート奏者を食った件」のエピソードも出てくる。
一方、フィレンツェ署のパッツィ刑事は、指名手配犯のハンニバルを別件で発見した。
彼はハンニバルの居場所をメイスンに伝え、多額の懸賞金を得る。
「居場所を教えてくれるだけでいい。あとはこちらで始末する」
というメイスン側の意見をはねのけ、独自で捜査を開始した。
だが、パッツィが自宅からFBIのファイルにアクセスしていることを嗅ぎつけられる。 クラリスは「危険だ」とパッツィに警告する。
パッツィ家の先祖は、メディチ家を死に追いやった家系だ。
レクターは図書館で講義中。演説後、レクター博士は、刑事にパッツィ家の末路を描いた絵を見せる。
パッツィ刑事は、先祖と同じ運命を辿った……。
|TVで度々カットされる「もぐもぐタイム」
ラストのシーン、クラリスは黒いドレス姿に着替えさせられて、変わり果てた姿になったクレンドラーと対面する。
普通なら「ざまぁ展開」だ。
息も意識もあるが、様子がおかしい。目がうつろで、何を話しかけても上の空である。
ラストで行われる「クレンドラーにあるモノを食べさせるシーン」は、グロ過ぎてTVでは放送カットされる。
ブログでも詳細を明かしていいかどうか。
このシーンは、ご自身の目でしっかりと確認して欲しい。
|創作ポイント:カッコいい悪役
レクターはどういうわけか、極悪人なのに応援したくなる。
クラリスを侮辱し、さげすむ連中を片付けていくからか。
相手の方がより残虐だからか。
「実は善人」というわけでもない。
「悪の敵」というほどでもない。
なのに、惹かれてしまう。
クラリスにとっても手に負えない人物だ。
だが、クラリスの身を案じている。FBIに在籍してるままでは腐ると知っている。
FBIが彼女を邪魔だと思っていることも。
味方はしているけど、自分の自由は守る感じ。
|まとめ
魅力的な悪は、自分の信念においては徹底的。
●余談
まじで本作のTV版はオススメしない。
クライマックスでいきなりクレンドラーの別荘スタートなんで、時系列が飛んでいる。