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メッセージ(2016) 宇宙語をエキサイト翻訳

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冒頭で、悲しい別れ
 
 言語学者ルイーズ(エイミー・アダムス)が、娘と死に別れるという悲しいシーンから、この映画は始まる。

 幼い娘から「だいすき」と言われた直前、成長した娘から「大嫌い」と罵られる。

 
 だが、彼女には娘がいない。

 
 このシーンの意味は何なのか。
 
 
言語学者が宇宙人の言語を翻訳
 
 ルイーズは、アメリカ軍から要請を受けて、いけ好かない生物学者イアン(ジェレミー・レナー)

 二人を待ち受けていたのは、「ばかうけ」に似た宇宙船だった。
 地面すれすれで浮いている。

 軍の偉いさんは、この中に入れという。

 中には、タコっぽい宇宙人が。

 ルイーズは彼らとコンタクトを取ること。

 だが、生物学者は本当に言葉が通じるのかどうか懐疑的だ。

 


意思疎通成功。だが
 
 試しに、ルイーズはボードに文字を書いて、彼らに見せる。
 二体の宇宙人が、イカスミを吐いた。イカスミは宙に浮き、時々形を変える。
 
 実験を数度行って、彼らが吐くイカスミで書いた輪っかが、言語だと言うことが分かった。

 軍はちゃんとやれという。
 ルイーズは、クック船長がカンガルーを見つけて原住民に学名を聞いた時のエピソードを話す。
 
「カンガルーは、現地の言葉で『(゚⊿゚)シラネ』って意味よ? きちんと理解し合わないと対話は進まない」

 と、自分の実験が正当であると主張する。
 都市伝説だが、効果はあった。 

 ルイーズは防護服を脱ぎ、自分の顔を宇宙人に認識させた。

 それにより、二体の宇宙人はより心を開くようになる。

 ようやく、相手の言葉が分かるようになった。

 だが、彼らは意味深なメッセージを伝えた。

 
「我々は、あなた方に有益な武器を与えに来た」
 
 
 この言葉に過剰反応し、中国がキレてしまう。宣戦布告!


ポイント:通じ合う

 テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』が原作。

 宇宙人の伝言を解読する仕事と並行し、生物学者イアンもルイーズと打ち解けるようになっていく。

 だがラスト、ルイーズはあるとこを知って、重要な決断を迫られる。
 フラッシュバックする光景が、何を意味しているかも分かってしまった。

 彼女の下した決断は、身を引き裂かれるほどに辛い。

 それでも、彼女は前に進むため、選択する。

 自分ならどうするか。
 本作を見て、感じて欲しい。


|まとめ

 他人同士がわかり合うには時間が掛かる。

 時には、
「最後までわかり合えない」
 と知ることだってある。

 

●余談

 本作の監督を務めたヴィルヌーヴ氏は、「宇宙船がお菓子の『ばかうけ』に似ている」との指摘を受け「影響受けてん」とコメントした。
 後日、ばかうけとコラボしたポスターまで作られることに。