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創作に役立つ、オススメの映画を紹介

【マンガ】映画大好きポンポさん 内向的な人が成功するマンガ

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ロリ映画プロデューサー

 映画監督に憧れるアシスタントのジーンは、人見知りの陰キャ。
 ポンポさんのシナリオ担当した映画を見ては、逐一メモを取って自作の糧にしていた。
 だが、押しが弱く、コミュ力も低いジーンは、自身を過小評価していた。
 ところが、敏腕プロデューサーであるポンポさんは、彼を強く買っていた。
(理由は、「創作ポイント」にて)
 
 あるとき、ジーンはポンポさんから、監督に任命される。

 
 内容は、歳を取って全てを失った元天才指揮者が、山奥の田舎に引っ込んで人生を見直すという映画だ。
 そこで出会った少女が口ずさんだ歌に感動。
 音楽への情熱を取り戻した指揮者は、もう一度指揮棒を振る、という結末である。

 
 一見すると、ごくごくありふれた平凡な作品だ。
 とはいえ、プライドの高い老いた指揮者と、活発さと清楚さを兼ね備えた中性的な少女の存在感が、生々しい。
 まるで彼らから、「映像化して欲しい」と訴えかけてくるような脚本だった。

パッとしない女優と、パッとしない監督


 
 オーディションには、田舎娘のナタリーが抜擢される。
 ナタリーは、女優に憧れ田舎から出てきた。
 が、生活できないため交通整理のバイトを続け、レッスンすらままならない。

 そこで、ポンポさんはナタリーを、一流女優ミスティアの付き人に任命した。
 バイトを辞めさせ、アパートも引き払わせて、住み込みで一晩中ミスティアとレッスンをさせる。
 レッスン経験のないナタリーにとって、ミスティアのレッスンについて行くのは辛い。
 だが、彼女の乱れた食生活を目の当たりにして、ナタリーは食事を振る舞う。
 そうやって、次第に女優としての才能を開花させていった。

創作ポイント:内向的な人間の成功

 ポンポさんがジーンを監督に選んだ最大の理由は、

「目に光がなかったから」だった。

 確かに、脚本を見せたときに自分と同意見をいった、抜群の映画嗅覚も含まれている。

 だが、社会不適合者で「映画しかない」ところが、創作者として必要な要素だったらしい。
 
 ジーンの他にも、ポンポさんに弟子入りを志願してきたアシスタント志望者は、後を絶たなかった。
 だが、見込みがあったのはジーンだけだと。

 他の者たちは「満ち足りていた」
 友人や恋人に恵まれた学園生活、光輝く青春を謳歌してきた眼差し。

 だが、創作の世界においては、それらは邪魔でしかない。

 思慮が浅くなるからだ。

 ポンポさんはさらに、「幸福は創造の敵」とまで言い放つ。
 
 その点、ジーンには社会から乖離された人間が持つ、「追い詰められた目」を見たという。

 現実から逃げた人間は、自分の中に自分だけの世界を作る。
 創造的精神活動ができるのだと。

 社会と切り離された精神世界の広さと深さこそ、創作には必要だという。

 実際、ジーンは地味な予告編の編集作業にて、15秒きっちり映画の面白い部分をダイジェストで抜き出した。
 彼には「映画しかなかったから」こそ、映画の面白い部分を見極められたのである。

 内向的な人でも、活躍する場面はあるのだ。


 はたして、ジーンは監督として、映画を成功に導けるか。

まとめ 

 社会不適合者でも、理解者に恵まれれば大成する。

余談


  
 PIXIVコミックで連載されているが、面白かったので購入。
 
 コミック版には、それぞれのキャラクターが好きな映画について語るミニマンガがついている。