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【書籍】世界でもっとも貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉/佐藤 美由紀 世界的ミニマリズム精神をKindleアンリミテッドで

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私は質素なだけ。貧乏ではない。

 ホセ・ムヒカというウルグアイ大統領を、ご存じだろうか?

 

 妻と小さな農園で過ごし、87年のビートルを自分で運転する。
 世間と同じレストランで食事を取り、警護もロクにつけない。
 贅沢など、全部無駄だと言い張る。

 給料は日本円で約131万円。その九割は寄付、残りは貯金する。

「私は質素なだけや。貧乏とちゃう」
 チリのテレビ番組で、ムヒカはこう答えた。
「貧乏って言うのは、今持っている者に満足できない人や。必要なモンが多すぎる人のことを言うんや」
  
 消費社会にコントロールされないことで幸せになれると、彼は考えている。

「沢山働いてモノを多く手に入れても、ローンに追われて、さらに働かないといけない。金に縛られていると、一生自由になれない。自由がないまま、老人となっていく」
 
 これが、ムヒカの考え方である。
 
 彼が打ちだした政策は、「厚いベーコンを貧困層にも与えること」だった。
 何年も掛かったが、彼は見事に、貧困層を潤わせることができた。
 
 大麻を合法化して犯罪組織を弱体化させ、宗教的に無理とされた中絶を合法化した。

 

13年投獄された

 ムヒカは幼少期から、自分のおもちゃを人にあげると言い出すほどに、優しい少年だった。
 
 軍事国家となったウルグアイを解放すべく、ムヒカはチェ・ゲバラの運動に賛同した。
 銃で人をケガさせたこともある。

 結果、1972年から1985年の間、投獄される。
 実に13年。小学生一年生が高校を卒業するまでの時間、ずっと刑務所で過ごしていたのである。
 水分を満足に与えられなかったムヒカは、もらった水筒の中に用を足し、尿素を沈殿させ、わずかに浮かんだ水分を摂取していたという。

 拷問されることもあり、イドのような狭い監獄に押し込められたこともある。
 
 本を読めなかったことが最大の苦痛だったらしく、出所後は本を読みあさったらしい。

 待遇が少しだけ良くなり、シーツ一枚もらえただけでも天国だったと語っている。
 
 ムヒカの人生理念は、この辺りで形成されたように思えた。
 
 彼を「ウルグアイのネルソン・マンデラ」と賞賛した相手に向かって、ムヒカは笑ってこう返した。
 
「彼は26年も投獄されてたんやで」

実は毒舌

 そんなホセ・ムヒカも、それほど品行方正・全てが正しい、善人の塊というワケではない。
 社会主義者なためか、納税者からは嫌われている。

 さらに、毒舌で世間を騒がせることでも有名らしい。
  
 あるとき、アルゼンチンの大統領を「ババア」呼ばわりした。
「あのバアアは政治を分かってない。夫の方がよっぽど政治家やった」
 と発言し、外交問題になったこともある。
 
 また、ユダヤ人を挑発するような発言を行い、国際問題に発展しかけた。が、

「オレの部下にはユダヤ人三人いてるで」

 と返し、事なきを得たことも。

まとめ

 ムヒカもさすがに、
「贅沢は敵・清貧は美徳とは言うてへん」
 と語っている。
 消費まみれのライフスタイルを見直せ、と言っている。

 日本でも現在「足るを知る」という言葉が見直され始めている。

 自分にどれだけ金・モノがあればいいだろう。
 今一度、それを見直す時期なのではないだろうか。

 今なら、この書籍がKindleアンリミテッドで読むことが可能だ。
 是非手に取って、消費生活を見直してみては。