現役東大生が1日を50円で売ってみたら 感想 もうすぐ進学するあなたに読んでもらいたい一冊
「子どもに何を読ませよう?」
「読書感想文で、何を読もう?」
とお悩みの方、ご安心を。
高野りょーすけさんの
「現役東大生が1日を50円で売ってみたら」
がオススメ。
東大生が、一日お話を聞いたり、何かの手伝いをするという企画。
レンタル料金は一日50円という破格の値段。
なぜ、このようなバイトを始めたのか。
実は、彼の価値観を変える出会いがあったからである。
本書を開くと、いきなり
「アスペルガーの息子に数学教えてくれ」
というとんでもない依頼が。
行ってみたら、東大生の方が圧倒される程の学力だった。
他の分野は人並みかそれ以下。
なのだが、いざ数学となると、東大生でさえも知らない単語がわんさかわんさ。
ただ、東大生が圧倒されるだけだった。
|東大生 対 ポーカー世界王者
「将来の安定とか考えるだけ無駄」
自分の親世代の人気職業がJAL、その前の世代が鉄工業。
その当時よかった会社がずっといいわけがない。
「大学生には生き方が二つある。安定した生き方と、リスクを恐れない生き方」
安定した生き方がしたいなら、どんな仕事も生き残れるようにスキルを磨くべし。
リスクを恐れないなら、やりたいことをやって考えたことをちゃんとやって行くべし。
失敗はすべきなのではなく、どうしようもなく発生するもの。
|東大生 対 ニューハーフ
LGBTの種類はゲイやトランスジェンダーだけじゃない。
パンセクシャル:
全盛愛者。ゲイもノンケも全部好き。
アセクシャル:
無性愛者。どの性別も好きではない。あるいは子どもの性レベル。
アセクシャルという言葉を知ったのは、本書から。
おかげで、アニメ「やがて君になる」の主人公の心境を察することに苦労しなかった。
何が出会いのきっかけになるか分からない。
|東大生 対 ホームレス
筆者が一日を五〇円で売ろうとしたきっかけを作った人
「最近はお金稼いでる人が自殺してる。それは心で動いていないからだ。悩みはないが、将来が不安で仕方ないと考えている。彼女がいても、自身がフリーターで不安に思うっている男性を知っている」
「未来は誰にも分からない。ならば、将来は幸せだと思い込め」
|東大生 対 一四歳
「これという目的はないが、勉強するように子どもを説得してもらいたい」
という母親からの依頼。
「『将来の為に勉強するべきだ』なんて諭されたら、そいつをぶん殴りたくなるのが、中学生というものだ。
自分がそうだったから」
と、筆者は語る。
「行動する理由を探しすぎてしまうと、悪いところばかりが見えてきて、結局なにもしなくなる。自分自身、それが原因で留年したのだから」
「行動力が大事」と、ネットではよく語られている。
本書で語られる結論も、行動力だ。
彼は行動したことによって、失敗もした。
だが、確実に何かを得た。
結果を出すことがすべてではない。
動いた結果、何が起きて、何を得たのか、何を改善すべきだったのか。
それを知るには行動あるのみ。
行動なくして、フィードバックはない。
本書は、「東大生カッコイイ!」という話ではない。
「東大生ブザマプギャー!」という短絡的な本でもない。
行動することがいかに大事かを教えてくれる。