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BOOKPORT(仮)は、創作者にとって新たな収益の道になるか? -3000文字チャレンジ「道」-

 今回の3000文字チャレンジのテーマは「道」

 

 そこで、小説家デビューへの道が広がるかもしれない話を、「3000文字チャレンジ」様の場を借りて語ろうかと。

 

出版の現状


 
 過去、小説家への道のりは「新人賞」しかなかった。
 並みいる強豪をうち倒し、高見を目指す道だけ。
 

 だが、最近はネットによるデビューも増えてきた。
 今や、メロンブックスにはネット発の小説専用棚があるほどで。
 コミカライズも順調らしく、「マンガの方が面白いじゃん」と言われる作品も。
 

 とはいえ、やはり出版には最低限の水準が求められている。

「新人賞を取るのなんて簡単だから」
 と作家先生はよくおっしゃる。
 しかし、基礎がないとやはり難しい。
 特に、ロクな文章力がないと、生き残れないだろう。
 

 しかも、編集社や出版社、本屋さんなどに引かれて、作者に入るお金は10%とも言われている。
 作り手に対し、あまりにもリターンがなさ過ぎる数字だ。
 

 また、「出版に至るまでが長い」という点も、新人賞にはつきまとう。

 まず選考の時点で、半年は待つ。
 すぐに一次落ちと分かったら、捨てるか書き直すか決められる。
 だが、賞によっては二ヶ月以上結果が出ない出版社もある。
 評価シートと言って、作品の出来具合をグラフ化したシートをもらえる。
 落選者は、それを参考に書き直すか、新作を作る。

 ただ、「たった一人が見て決めたシートに意味があるのか」という声も。
「ここまで投稿サイトができているなら、いずれかに作品を投げ込んで、見てもらった方が早い」

 と、プロ作家までもが言い切っている。

「新人賞は年に一回しか試せないが、投稿サイトなら50回は試せるんだ」
 という意見は、創作界の語り草になっている。

「小説家になろう」は、日本国内の全サイトで21番目に読まれている。
 この閲覧数は、なんと「インスタグラム以上」である!

 つい最近、オレの通っている小説講座でも、とある作家先生が地下鉄で
「転スラの素晴らしさを熱く語るギャルを目撃した」
 と、話をしてらした。
 
 JKが夢中になって、「なろう発の作品」を読むくらいだ。
 小説というコンテンツは、死んではいない。

 ただ、出版のハードルが高すぎるのだ。
 売っていかないといけないので、吟味する。
 でも、売れないと打ち切られる。
 
 投稿サイトも、この問題を重く考えているようで、
「投稿作品にお金が入るシステム」
 を構築し始めた。
 

お金をもらえるチャンスがあるかも知れないサイト

・ノベルバ
 1PVにつき、0.1円もらえる小説投稿サイト。
 ただ、アフィリエイトなどのように

「3000円分たまらないと引き出せない」

 という縛りつき。
 
・アルファポリス

 高ポイントの作品は、アマゾンポイントがもらえるらしい。
 
 自分で出版の申請をしていいというシステムも面白い。

 あと、KADOKAWAが運営している投稿サイト「カクヨム」も、収益化に向けて動いているらしい。
 投稿サイトの今後に、目が離せない。


 オレはどっちもやってみたが、鳴かず飛ばずの状態だ。
 書籍化の基準である、
「全投稿者の上位20%」
 には、かろうじて到達しているかな、とは思う。

 約1000人が投稿した中で、最終的に100位くらいまで残ったこともあるので、言っていいかなとは思っている。
 
 しかし、その中の「さらに上位の20%」が化物すぎる。

 
 たった一話だけで、
「オレの全話数のPVの10倍」
 という、気が遠くなる数値をたたき出している。

 その方でさえ、書籍化すらしていない。
 
「もう、どうすればいいのか」
 と、一度収益化のみを視野に入れたことがあるくらい、心がバッキバキに折れた。

 ブログに走ったのも、この頃だ。
 当時はファミ通コンでドベ同然の地位に落ちている最中だった。

 また、上記したように「出版の不景気な話」ばかり聞かされ、さらに書籍化した作家先生すら憧れられないという状況に追い込まれた。


そんな現状に、新たな新風を起こそうとしている団体がある。

「オタクペンギン」
 さんが主催するサイト
「BOOKPORT(仮)」
 である。

 

BOOKPORTとは?

 クリエイターにお金が入らないという現状を憂いたオタクペンギンさんが、クラファンで資金を募って会社を興すという。

 

(ご自身で検索していただきたい。3000文字チャレンジのルール上、リンクを張れないので、ご容赦を)

 

 主催者いわく

・出版社という形態が変化しつつあるのでは。
・これから小説などのコンテンツは、バズりなどを利用して、自分で売っていく時代

 今の出版業界は「一万部売れない」と「打ち切られる」。
 これが、書籍化のハードルを上げている。
 そのせいで、名作と言われている作品でさえ、打ち切りの憂き目に遭って消滅している。
 

 オレも、漫画家・ポルリン先生の「カフェチャンとブレークタイム」が打ち切られたときは、ショックだった。
 先生は他の作品でも打ち切りを経験なさっていた。
 自信作だっただけに、見ていられないくらい落ち込んでいたのを覚えている。
 

 漫画家・赤松健先生主催の「マンガ図書館Z」のような救済措置がなければ、名作は滅びていく道しかない。

 
 有料noteのように、
「100部ブ売れれば稼げるシステムを、作ればいいのではないか」
 という結論に達したという。

 主催のオタペンさんは、このようなシステム作りのため、クラファンを募る。
 
 結果、たった数日で目標金額200万を達成。
 現在、集まったパトロンは190人以上だ。
 実に、300万以上の資金が集まっている。

 オレ自身も、一万円だが送った。

「作品が一万円分売れるように支援します!」
 というリターンを選んで払ってみた。
 だが、正直な話、オレは後回しでいい。
 それより業界をもっと潤わせて欲しい。
 その期待を込めて、オレは金を送っている。


「でも、どうするんだろう?」
 
 という疑問が、金を送った直後に湧き出てきた。

 現金やね、オレは。
 金を送った瞬間、信用できるかどうか吟味するとかね。

 
「作家に80%近くの利益還元をお約束します!」
 
 と語っているが、ちょっと現実的じゃないよな、と。
 サイトのセキュリティや運営の方が大変でしょう、と思った。

 
 商売ベタなオレは、独自ドメインの資金ですら大変だ。
 収益なんかはまるで見込めず、泣きながら金を払っている。
 費用が出て行く一方だ。

 はてなProは、あと来年でやめると決めた。

 
 オレにブログ運営は難しい。
 というか、作家はプラットフォームがあるなら、そっちで活動した方がいい。
 もっと早くカクヨム収益化の話を聞いていれば、はてなProには手を出さなかったかも。


 とまあ、サイト運営って大変だなと、身を以て知った。
 
 
 オレ個人としては

・別に40%くらいが妥当かなと。それでも取りすぎかなとさえ思う
・イラストレーターさんは、もっともらっていい。
 他の仕事の掛け持ちもあるだろうし、作業が大変なので副業も難しいから。
・運営の管理費はどう賄うのか心配になるレベル

 
 そんな風に思っている。

 
「サイト運営に必要な人材って、プログラマじゃない?」
 という意見が、頭をよぎる。
 セブンペイがああなった理由が「プログラマの予算をケチったから」とか言われているし。
 セキュリティとか、盗作防止機能とか、大丈夫なのかなと。

 
 ただ、未来に関していちいち気にしても仕方ないので、
「期待はする」
 程度にとどめている。

 正直な話、期待値は低めに設定している。
 
 どちらかというと
「業界が危機感を持ってくれればなー」
 程度の期待感である。

 競合サイトが出ても仕方ない。
 ただ、きっとそういったサイトは「作家に還元しよう」とは考えないだろう。
 場所だけ貸して丸投げにするか、搾取できるように仕向けるはずだ。

 オレはただ、bookportさんがそんなサイトでないことを祈るばかりだ。
 
 
 

余談

 
 なぜ(仮)なのかというと、また社名が決まっていないのだとか。
 同名の書店があるらしく、現在社名変更中である。