家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています(2018) 察しないダンナと空気を読まないヨメ
玄関のドアを開けると、妻が死んでいた?
いつもは、玄関のチャイムを鳴らせば妻が出てくる。
だが、今日は応答がない。
ドアを開けると、妻が倒れていた。ケチャップで口の周りを塗りたくり、仰向けに。
主人公が声をかけると、笑いながら起き上がってきた。
次の日、帰宅すると、妻は頭からワニに食われている。
ワニの等身大フェギュアを、わざわざ取り寄せたのだ。
その後も、ジュリエットになっていたり、捕虜となって処刑されていたり。
頭に矢が刺さったまま、料理をはじめることも。
随分とお茶目な嫁さんである。
主人公であるダンナの方も、妻のノリについていこうとする。
夫役が安田顕なので、芝居も本格的なのが笑える。
が、仕事で疲れている状態なのでくたびれはじめた。
妻はダンナに寄り添っているのに、ダンナの方が妻に背を向けて眠る。
この状態が、夫婦の関係を象徴している。
察しない夫
主人公はバツイチ。
元妻は、失踪一週間後に帰ってきて、いきなり離婚を迫ってきた。
そのため、「今の妻は、自分に何か不満があるのでは」と、妙に勘ぐってしまう。
そのため、主人公は妻にバイトを勧めた。
妻はクリーニング屋で働き始める。
そこの主人は妻を亡くし、コンビニで昼食を買う間だけ、店番を客にやらせていた。
また、主人公の部下も、「マイナスのメンター」として機能してしまう。
後輩夫婦は、一見幸せそうだ。
が、内心お互いの気持ちが分からない。
まして、妻が子を成さないことで、お互いが責任を感じていた。
食事会を開いたが、そこで妻がコミュニケーション不足による不満を爆発させてしまう。
部下夫婦をみて、一層、不安を募らせていく。
ポイント:無言のコミュニケーション
全体的に、コメディタッチで進む。
後半は両者の体験からくるエピソードで織りなされ、互いにどう思っているのかが分かってくる。
「死んだふり」ごっこのようなおふざけが、何も主人公と結ばれたときが最初ではなかったと分かったときなどは、妻の愛情がいかに深いかが示されるエピソードだ。
これが、「エピソードで物語る」という構成なのだろう。
こういう夫婦生活に憧れるかと言えばシンドそうだが、信頼関係を築くことがいかに大切で、いかに楽しいか、それを教えてくれる映画である。
まとめ
説明せず、エピソードで感情を描写する。
余談
Yahoo!知恵袋の質問から物語化した本作。
OPも、初音ミクのPが作曲したモノだ。